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2023.03.22

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松本茂教授(経済学部)らが第55回(2022年度)市村地球環境学術賞で初の功績賞を受賞

 松本茂教授(経済学部 経済学科)らの研究グループによる共同研究が第55回市村地球環境学術賞を受賞し、4月17日に授賞式が行われます。 
 我が国の科学技術の進歩、産業の発展に顕著な成果と貢献のあった個人等に授与される市村賞のうち、2018年(第51回)から地球温暖化防止・対策に関する先導的で優れた業績について新たに設けられたのが市村地球環境学術賞です。
 今回の受賞は、日本の産業社会の「脱炭素経済」への大胆な転換を可能にする、イノベーティブな市場、制度、政策、組織・人材のあり方を、定性的・定量的に分析する社会科学分野の研究として、同分野では初、また功績賞としても2018年の同賞設置以来、初の選出となります。
 本共同研究では、カーボンニュートラル達成のため、政策手段として注目を集めている炭素税や排出量取引などのカーボンプライシングにつき、欧米に比べて浸透が遅れる日本における有効性とその効果、政策オプションを実証的、かつ経済学的・定量的に分析し、排出量取引の削減効果とともに、負の経済影響が無いこと、イノベーション促進効果があることを示しました。
 国際競争力に配慮した制度設計とその効果について経済モデルを用いて明らかにし、さらに家庭部門での費用負担の増加の程度、地域・世帯間での配慮方法についても定量的に分析しています(表1)。また、今後に向け、特に炭素税の二重の配当政策に注目し、炭素税収を法人税や消費税の減税に充てることにより、大幅な排出削減と経済成長が両立しうることを示しました。

受賞研究課題:脱炭素に向けたカーボンプライシングの経済分析:定量的・実証的アプローチ
研究グループ:早稲田大学 政治経済学術院 有村俊秀教授
       青山学院大学 経済学部 松本茂教授
       京都産業大学 経済学部 武田史郎教授

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