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2024.04.09

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【理工学研究科】中川真結子さん(理工学専攻 電気電子工学コース 博士前期課程1年)が「29th International Symposium on Artificial Life and Robotics」で「Young Author Award」を受賞 ~顔画像に基づく非接触型血糖値推定モデルの構築へ~

2024年1月24日(水)~26日(金)、「29th International Symposium on Artificial Life and Robotics(AROB 29th 2024)」が大分県別府国際コンベンションセンターで開催され、中川真結子さん(理工学研究科 理工学専攻 電気電子工学コース 博士前期課程1年・受賞当時、生体計測・感性工学研究室(野澤昭雄教授)所属)らによる研究発表”An exploratory study of regression methods for blood glucose estimation based on near-infrared facial images with wavelengths ranging from 760nm to 1650nm."が「Young Author Award」を受賞しました。

研究概要

中川さんは、生体内部への深達度が高い近赤外帯域の光を用いて計測した顔画像に基づく血糖値推定の研究に取り組んでいます。これまでに、機械学習の一つである線形回帰を用いて血糖値推定モデルを構築してきました。しかし、実際の生体反応は非線形であり複雑な変動を示すため、血糖値推定により適した回帰手法を探索する必要がありました。このため、今回の研究では、複数の線形及び非線形回帰を用いた血糖値推定モデルの比較分析を行いました。

中川さんの研究は、同国際シンポジウムにおいて、35歳以下の者が中心となって執筆・発表した論文の中で、最も優れていると評価され、将来有望であると認められたことから、同賞を受賞するに至りました。

受賞者からのコメント

中川真結子さん(理工学研究科 理工学専攻 電気電子工学コース 博士前期課程1年・受賞当時、生体計測・感性工学研究室(野澤昭雄教授)所属)

Young Author Awardを受賞し、大変光栄に思います。
私は、低侵襲な診断技術の実現を目指し、顔画像を用いた非接触的な血糖値推定の研究に取り組んできました。血糖値推定のための数理モデリングにはさまざまな手法がありますが、実際の生体反応は非線形的で複雑な変動をします。今回受賞の対象となった研究ではこの課題に挑戦し、血糖値推定に適したモデリング手法の探索を行いました。今後は、本研究を生かし血糖値推定の研究をさらに進展させるよう努めていきます。

指導教員からのコメント

野澤昭雄教授(理工学部 電気電子工学科)

中川さんの指導教員として、本賞の受賞を心より嬉しく思います。中川さんは、これまで誰も手をつけていなかった全く新しいバイタルセンシング手法の研究に果敢に挑戦しました。本研究を始めた当初は、暗闇を手探りで進むような不安があったはずですが、中川さんは自力で活路を切り拓かんと生来の粘り強さをよく発揮しました。また、研究活動を通じて精神面の逞しさも備わったように見えます。今後も努力を継続して更なる成長を遂げることを期待しています。

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