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2024.12.19
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【理工学部】木村正子助教(情報テクノロジー学科)らによるアート作品「Inclusive Quiet Room」が香港国際メディアアート展「Microwave International New Media Arts Festival 2024」に招聘作品として展示

2024年10月25日(金)~11月3日(日)、20年以上歴史のある国際メディアアート展「Microwave International New Media Arts Festival 2024」がHong Kong City Hall(香港)で開催され、本学の木村正子助教(理工学部 情報テクノロジー学科)を中心とした、名古屋工業大学、産業技術総合研究所、Diver-X社、the Music and Arts University of the City of Vienna(MUK)等に所属するチームメンバーらによる、折り畳み・運搬可能な簡易構造物(インスタントハウス)を活用したアート作品「Inclusive Quiet Room」が招聘作品として選出され、展示されました。日本国内からは木村助教らの作品のみがノミネートされ、また本学から同国際メディアアート展の本展示に招聘される初の快挙となりました。
今年の「Microwave International New Media Arts Festival 2024」は、「你好不好 HOW YOU DOIN’」((香港の時勢のために心を痛めている方に向けて)あなたは大丈夫ですか?)をテーマとして、現在の香港での社会事情の影響で精神障害(ASD、ADHD、自閉症等)・メンタルヘルス等の課題を抱えている人々が増えたことを背景に、心を癒す、心に語り掛ける作品を中心に招聘・展示され、11月2日(土)には、木村助教による「Inclusive Quiet Room」に関する招聘トークショーも実施されました。


作品紹介
Inclusive Quiet Room 包容式静室(2022)
「Inclusive Quiet Room」は、折り畳み・運搬可能なインスタントハウスを用いて、誰もが気持ちを落ち着かせ、リラックスできるスペースのアート作品です。映像・音の表現を組み合わせた「カームダウンスペース」で過ごすことで、知覚・聴覚などの感覚過敏により、刺激や人が多い場所でパニック症状を起こしやすい方や、メンタルヘルス等の課題を抱える方をはじめ、誰もが気持ちを落ち着かせ、心を沈静化させることができる空間になっています。カームダウンスペースの中では、スヌーズレン効果(心地よい感覚刺激)を意識した没入感のあるVR映像と落ち着く音楽、柔らかいソファと重みのあるチェーンブランケットなどを組み合わせてデジタルリハビリテーションを体験することができます。
本作品は香港・中国のインフルエンサーによってSNS等でも紹介され、一時は大行列となり、作品となりました。香港で行われた本イベントでは、約4,000名の来場者のうち、およそ1,000名以上の方が「Inclusive Quiet Room」を体験しました。


<中文(Chinese)>
患有自閉症或發育障礙(屬於精神障礙)的人當中,有很大比例的人有感官過敏的問題。因此,普共及「寧靜房間」讓他們在社會生活中能稍為感到自在,是實現共生社會的必要元素。
然而安裝「寧靜房間」需要的是設立與外界隔離的高隔音房間,成本高昂,成為普及「寧靜房間」的一個巨大的障礙。《包容式靜室》則是一個的可攜式靜音室,結合了易於建構的臨時房間理念、身歷其境的視頻以及令人放鬆的聲音。除了能讓更多人體驗到「寧靜房間」的好處以外,作品也是提出了可以輕鬆地在任何地方建構的未來寧靜房間的形象與概念,可以輕鬆地在任何地方建構。
這個房間讓人有被溫暖擁抱、安全感十足的感覺。如果所有的人,包括沒有精神障礙的人,都能體會到這種被擁抱的感覺,他們也許會理解感官過敏患者對環境的需求與好處。


木村正子助教からのコメント
本作は2023年に「Laval Virtual」(フランス)、「SIGGRAPH 2023」(アメリカ)にて国際展示発表されており、今回の香港での展示を含めると、3度目の国際展示発表となりました。本作により少しでもメンタルヘルスに課題を抱えた人々が落ち着くことや、社会的意義のある空間、そしてそれらに対する考え方が広がっていくことを切に願っています。
本作を通じて、香港・中国の人々とメンタルヘルスに課題のある人や精神障害者らの社会的な立場について、多く議論できたことに大きな意味を感じました。将来的には、精神障害・メンタルヘルスに課題を抱えた人々が落ち着く環境の取り組みが社会に広がるだけではなく、精神障害を抱えていても、学校や職場などで健常者も障害者も分け隔てなく、共に活動できる社会になることを切に願っています。
本展示にて招聘してくださったJoel Kwong様、microwaveチームのFlorence,Joy、Jackson,Jason他スタッフ、香港学生ボランティアの皆さま、 日本からのサポートチーム、そして名古屋工業大学、青山学院大学、Diver-X社、産業技術総合研究所、the Music and Arts University of the City of Vienna (MUK)、他サポートしてくださった皆さま、作品を体験してくださった皆さま、そして本作を応援してくださる全ての皆さまに心から御礼と感謝を述べます。ありがとうございました。
