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NEWS(社会連携)

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2023.10.21

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2023年度9月 宮古市でのサービス・ラーニング実践報告

2023.9.5-9.10 宮古市でのサービス・ラーニング実践

2023年9月5日から10日まで、5泊6日の期間、岩手県宮古市でのサービス・ラーニングⅠ(青山スタンダード科目)を実施し、9名の学生が参加しました。青山学院では、2019年に締結した包括連携協定のもと、東日本大震災によって被災した宮古市への支援や、様々な教育活動を継続的に行っています。今回のサービス・ラーニングでは、まず、田老地区の震災遺構を訪問し、防潮堤の建設や、今後の災害に備えた地域の取組について知る、「学ぶ防災」に参加しました。また、宮古市の山本正徳市長より、宮古市のまちづくり計画や地域の若者や未来に対する具体的な施策と思いについてのお話をうかがいました。
サービス・ラーニングの活動として、市内にある2つの小学校(磯鶏小、千徳小)において、6年生を対象に、青山学院の紹介や、学生メンバー各自が日頃の学生生活を紹介しました。好きなことを学ぶことや目標に向かうことの大切さを学生と児童とが分かち合う時間となりました。また、宮古高校では、大学進学希望の生徒を対象に青山学院大学での学びや各学部の特色についての紹介や、課外活動について共有する時間を持ちました。宮古水産高校では、生徒の実習に参加させていただき、食品加工作業や船舶の練習を体験することができました。さらに、宮古市社会福祉協議会の協力のもと、鍬ケ崎地区の住民の方々との交流会企画を実施するなど、様々な世代の方々と活動を共にすることを通して、地域への理解を深めることができましたが。限られた期間でしたが、宮古市長をはじめ、市職員や教育委員会のみなさま、地域の方々のあたたかな協力によって、防災意識や未来の地域社会創りを考え、共に生きることの大切さを一人一人が受け止める貴重な学習機会となりました。

宮古で感じ、考えた人間力とコミュニティのあり方
コミュニティ人間科学部2年 早川幾子

宮古市における様々な活動の中で、私は宮古市社会福祉協議会と、地域住民交流会の企画を担当しました。事前にオンラインでミーティングを行いながら、どのような交流会にするのかを担当職員さんと共に考えて形にしていくのは中々難しかったですが、職員さんのご協力のもと、より良い交流の時間となるように“自分たちにできることは何か”を念頭に、案を出し合って企画しました。当日は、まず、学生が自己紹介カードを用いた自己紹介をし、交流会に参加した住民の方にもお名前や趣味などをお聞きし、お互いについて知ることから始めました。次に、アイスブレイクとしてボッチャと宮古弁かるたを一緒にしたのですが、いつのまにかボッチャもかるたも真剣勝負になり、白熱した様子でとても盛り上がりました。その後、テーマ別お話会と題して、私たち学生からは大学生活や大学での学びについて、住民の方々からは震災後の宮古のお話などについて話しました。最後に、「来てくれてありがとう。孫のようで話せて楽しかったよ。また来てね。」と言ってもらえたことがとても嬉しかったです。
今回の活動を通じて様々な方とお会いしお話をする機会がありました。宮古市長さんや教育委員会といった行政を担う職員の方々をはじめ、防災教育や若者の居場所作りに取り組むNPO団体、旅館やゲストハウスを経営する立場から地域に携わる方々によるお話から学ぶ機会をいただきましたそして地元の小学生や高校生といった若者世代や、震災を経てなお宮古で生活を営み、地域活動を続ける住民の方々、さらには地域おこし協力隊として宮古に暮らし、まちづくりに関わる方々などたくさんの出会いがありました。それぞれのお話を聞いていて私が一番感じたのは、一度経験した震災という大きすぎる痛みや悲しみを、同じことを繰り返さないように、そして次に来るかもしれない「最悪」を考えて対策することによって前に進もうという強い意志と、宮古に対する愛着心です。
また、今回の活動全体を俯瞰的に見てみるとそれぞれの活動が何かしらの形で相互的に関係があり、本当に一つのコミュニティとして濃い関係性、強い繋がりが形成されていることが分かり、このサービス・ラーニングでの実習期間中終始「コミュニティ」のあり方を考えることにもなりました。ここまで一つの地域に着目して実際にその地域に赴き、自分の目で、耳で、体感として学んだことで、より「宮古」の魅力をたくさん知ることができましたし、人々の温かさを感じられました。
そして、私が所属するMF3.11(東北支援ボランティア団体)の活動を通じて、今までの私たちの活動や宮古について発信すること、”食堂みやこ”や地域おこし協力隊の方とコラボした企画を実現させることで、これからも宮古と繋がり交流を続けていきたいと思います。また、今回の宮古で得た学びをもとに、ボランティアのあり方や地域コミュニティにおける福祉の存在、地域活動の可能性について、これから学びを深めていきたいです。