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2025.12.02
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【理工学研究科】三橋花楓さんが「第44回 固体・表面光化学討論会」で「学生優秀講演賞」を受賞
学会会場での発表風景
2025年11月28日(金)~ 29日(土)、日本大学工学部50周年記念館で開催された「第44回固体・表面光化学討論会」において、三橋花楓さん(理工学研究科 理工学専攻 化学コース 博士前期課程1年・阿部二朗教授研究室所属)が「学生優秀講演賞」を受賞しました。
本賞は、学生による口頭研究発表の中から特に優れたものに贈られるものです。今年度は20件の口頭研究発表が審査対象となり、そのうち8名の学生が受賞しました。
三橋さんの発表は、優れた研究成果に加え、発表スキルや質疑応答における態度も高く評価され、本賞の受賞に至りました。三橋さんは9月に開催された2025年光化学討論会でも優秀学生発表賞(ポスター)を受賞していますが、今回は分野が異なる学会での口頭発表が評価され受賞に至りました。また、この研究成果は王立化学協会の学術誌“Chemical Communications”に受理されました(Chem. Commun., 2025, 61, 15167)。
学会会場での発表風景 研究概要
発表題目:ビナフチル架橋イミダゾール二量体を用いた水系環境での逆フォトクロミズムの実現
逆フォトクロミズムとは、着色状態に可視光を照射すると無色に変化し、照射を止めると元の着色状態に戻る光応答現象です。紫外光に比べて生体へのダメージが少ない可視光を利用できることから、材料科学や生命科学への応用が期待されています。三橋さんは、水溶性を高めるピリジニウムイオン構造を導入した新規化合物を合成し、水含量80%の有機溶媒中においても可視光に良好に応答する逆フォトクロミック分子の開発に成功しました。
※本研究は、日本学術振興会・科研費 JP23K26633(基盤研究(B))、およびJP23H04878(学術領域変革研究(A) メゾヒエラルキーの物質科学)の支援による研究成果です。
※フォトクロミック分子とは:光照射により可逆的に構造が変化し、色や性質が変わる分子のことです。阿部研究室では、色や性質が高速に変化する独自の高速フォトクロミック分子を開発しており、屋外でのみ着色するサングラスやリアルタイムホログラムなど、従来にない応用が期待されています。
指導教員からのコメント
阿部二朗教授(理工学部 化学・生命科学科)
このたびの受賞は、三橋さんが日々の研究に真摯に取り組み、新しい発想と粘り強さで成果を積み上げてきた結果だと大変誇りに思います。逆フォトクロミズムを示す分子の開発は学術的にも応用的にも意義が大きく、今後の展開に大きな期待を寄せています。今回の受賞を励みに、さらに研究を発展させてくれることを楽しみにしています。
