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2026.06.02
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【理工学研究科】第42回「日本希土類討論会」で大野礼雄さん、廣島珠羽さんが「学生講演賞」を受賞
廣島珠羽さん、大野礼雄さん 2026年5月14日~15日に東京(船堀)で開催された第42回 日本希土類討論会(日本希土類学会主催)にて、理工学部長谷川美貴研究室所属の大野礼雄さん、廣島珠羽さんが「学生講演賞」を受賞しました。約50件の対象者から10名のみが選出される狭き門でのダブル受賞となります。
廣島珠羽さん、大野礼雄さん
大野礼雄さん(理工学研究科 化学コース 博士後期課程3年・長谷川研究室所属)発表概要
発表タイトル:ヘリカルなカチオン性希土類錯体とカウンターイオンの溶液中の配置および円偏光発光スペクトル
共同発表者: 長谷川美貴 教授(理工学部 化学・生命科学科)、Nikita Madhukar助教(理工学部 化学・生命科学科)、山口将史大学院生(当時)
発光性分子が右手と左手のような関係の鏡写しの非対称な構造(キラリティー)を持つ場合、光の波がらせん状に回転しながら進む円偏光発光CPLが生じます。これは、分子周囲の微小な環境変化に敏感に反応し、その値が変化する特徴があります。長谷川研究室では、六座配位子を有するヘリカルな希土類(レアアース)錯体の発光特性について研究しています。今回の研究は、キラリティーを持つ六座配位子を有する希土類錯体を新たに開発し、溶媒や錯体の周囲に存在する負の電荷を帯びたイオンの種類に応じて、その錯体のCPLが変化することを発見しました。さらに、錯体の構造との比較から、これらのCPL変調は溶液中の錯体の対称性やイオンとの距離に起因するある種の規則性を見出しました。溶液中での金属錯体と電荷を帯びた粒子(負イオン)の距離の考察ができる系は極めてまれであり、CPLとヘリカルな希土類錯体の特徴を生かした研究が評価されました。
なお、本研究は、富山大学大学院 野崎 浩一教授ならびに岩村 宗高先生との共同研究です。
受賞者からのコメント
大野礼雄さん(理工学研究科 化学コース 博士後期課程3年・長谷川研究室所属)
この度、希土類討論会学生講演賞受賞できましたことを大変嬉しく思います。本研究成果を発表する機会をいただき、さらにこのような評価をいただけたことは大きな励みとなりました。本研究を進めるにあたり、日頃より丁寧にご指導いただいた長谷川美貴 教授をはじめ、共同研究者の先生方、ならびに貴重なご議論を下さった先生方に深く感謝申し上げます。この受賞を励みとして、今後も研究への探究心を忘れず、より一層努力を重ねてまいります。
廣島珠羽さん(理工学研究科 化学コース 博士前期課程2年・長谷川研究室所属)発表概要
発表タイトル:両親媒性ナフタレン誘導体-Eu LB膜における分子凝集と直線偏光発光発現
共同発表者: 長谷川美貴 教授(理工学部 化学・生命科学科)、木村真也 講師(明治薬科大学 薬学部)、中山尚史 博士(コンフレックス株式会社)、山中正道 教授(明治薬科大学 薬学部)、Nikita Madhukar助教(理工学部 化学・生命科学科)
長谷川研究室では、Langmuir-Blodgett(LB)膜法を用いて希土類錯体を分子レベルで配列させ、その発光の偏光を制御することに取り組んでいます。本研究では、膜物質に有機配位子を、その膜間に希土類イオンを挟み込むようなミルフィーユ構造として分子レベルで希土類錯体を積み重ね、その時の分子配列の違いが発光特性に与える影響を直線偏光発光(LPL)スペクトルからとらえることができました。特に、配位子の芳香環の配列する向きや構造、これらを支えるマトリックス分子の違いにより、希土類の発光の強さやLPLの角度が変化することを見出し、計算科学から理解を深めた成果を発表しました。このような研究は世界的に見ても長谷川研究室しか取り組んでおらず、独創的な視点での精密な研究が評価されました。
受賞者からのコメント
廣島珠羽さん(理工学研究科 化学コース 博士前期課程2年・長谷川研究室所属)
この度は、第42回希土類討論会において「学生講演賞」という栄えある賞を賜り、大変光栄に思います。今回の発表では、LB膜中のユウロピウム錯体の分子配向とLPLの関係に着目し、配位子構造や媒体分子の違いが発光特性に与える影響を検討しました。特に、分光測定、時間分解発光測定および計算化学を組み合わせて遷移双極子モーメントの向きを解析し、LB膜内の分子配列と発光挙動との関係について考察を深めました。LB膜作製の再現性の確保や複数の解析手法を組み合わせた考察など、容易ではない場面も多くありましたが、一つひとつ丁寧に向き合うことで成果につなげることができたと感じています。
本受賞は、日頃よりご指導いただいている長谷川美貴先生をはじめ、共同研究者の先生方のご指導があってこそのものです。深く感謝申し上げます。この経験を糧に、今後もより深く研究に向き合ってまいります。
これらの研究は、JSPS科研費 ソフトクリスタル17H06374(新学術領域研究)、 動的エキシトン JP20H05832(学術変革領域研究(A))、山田科学振興財団および日本電子株式会社の支援によるものです。
