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- 記憶研究の専門家をゲスト講師としてお招きしました
NEWS(コミュニティ人間科学部)
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2026年6月18日の「専門演習Ⅰ」に、北海道教育大学教育学部の林 美都子先生をゲスト講師としてお招きしました。林先生は、「記憶高進(Hypermnesia)」という興味深い現象を長年に渡って研究されている、数少ない日本人研究者です。記憶高進とは、「復習なしにテストを繰り返すだけで記憶成績が向上する現象」(林・太田, 2005)です。「復習しないのに記憶成績が向上するわけない」と感じる方もいらっしゃると思いますが(恥ずかしながら、私も最初はそう思いました)、実験データからは記憶成績が確かに向上することが示されています。今回の授業では、まずは全員で記憶高進実験を体験し、その後、記憶を強くするヒントについてのご講義を伺いました。
私たちは、たとえばテキストを覚えようとするときに、何度も繰り返しテキストを読むという、情報を脳に取り入れる「符号化」というステップを重視しがちです。しかし実は、記憶高進現象が示すように、情報を取り出す「検索」というステップも重要で、情報を取り出す練習を繰り返すことで、記憶成績がアップします。そのため、テストを受けるという行為自体が、「検索」の機会となり、記憶成績アップにつながることを、分かりやすくご講義いただきました。来月に期末テストを控えている学生の皆さんはぜひ、情報を取り込む(例:テキストやノートを見て記憶する)だけでなく、情報を取り出す(例:記憶した内容を思い起こしたり、書き出してみる)練習もしてから、テストに臨んでいただければと思います!
実は林先生には、同日の「社会調査論Ⅲ」(社会調査士科目)で、「一対比較法(サーストンのケースファイブ;Thurstone Case V)」についてもご講義をいただきました。一対比較法は、例えば「バニラソフトとチョコソフト、どちらが好き?」「バニラソフトとストロベリーソフト、どちらが好き?」「チョコソフトとコーヒーソフト、どちらが好き?」というように複数の刺激を2つずつ提示して質問を繰り返し、回答を得る方法です。得られた回答は、順序尺度となります(例えば、「チョコソフト」と回答した場合には、その回答は「チョコソフトの方が、バニラソフトより好き」ことを意味し、好みの順序が分かります)。しかし、一対比較法では、複数の刺激についてどちらが好きかを繰り返し選ばせることで、順序だけでなく、刺激間の間隔(心理的距離)まで数値化できます。つまり、順序尺度を間隔尺度に変換し、より高度な統計分析を可能にしてくれる手法になります。卒業論文などにも活用しやすい手法ですので、ご興味のある方はぜひ試してみてください。
文責:植月 美希