TOP

EVENT(学外講座)

SCHEDULED

2026.05.09 - 2026.06.06

TITLE

【青山キャンパス公開講座】歴史の光、歴史の闇~現代社会をよりよく生き抜くために~

講座概要

対面またはオンライン配信
2026/05/09~ 06/06 毎土曜日 11:00~12:30(初回のみ12:40)

一見すると平和で住みやすい現代日本にも、差別や搾取のような「闇」が存在します。歴史学はこれまで、経済発展が生んだ貧困と格差や、政治的抑圧をはねのける豊かな文化と社会実践といった、「光」と「闇」が絡み合う複雑な様相を明らかにしてきました。
本講座では、文学部史学科の気鋭の若手専任教員5名が、最新の研究成果を踏まえて、古代ギリシア、中世日本、中世ヨーロッパ、近代イギリス、近代中国の「光」と「闇」を炙り出し、現代社会をよりよく生き抜く知恵を模索します。一緒に探究してくださる方々のご参加を心よりお待ちしています。

講座申し込み

第1回 2026/05/09(土)近代イギリスの「光」と「闇」

文学部 准教授
稲垣 春樹[INAGAKI Haruki]

世界で最初に産業革命を達成し、七つの海をまたぐ大帝国を築いた19世紀のイギリスは、光に満ちていました。首都ロンドン、国内の地方都市、そして帝国の諸都市には、高級住宅地が出現し、中上流階級のみならず労働者階級をも楽しませる娯楽・リゾート施設が次々に作られました。その光を象徴したのが、1851年のロンドン万博です。一方で、この万博と同じ年に、100万人以上の死者を出したアイルランド大飢饉が生じていたことは、光と共存する闇を象徴する出来事であると言えるでしょう。ロンドンにおいても地方都市においても貧困問題は深刻で、最貧困層が集まるスラム街における住環境は劣悪であり、大気汚染、水質汚染も深刻でした。そして帝国の経済的繁栄の背景には、植民地における搾取という闇が存在しました。この講義では、長期的、多角的に、近代イギリスの光と闇に迫ってみたいと思います。

<プロフィール>
青山学院大学 文学部史学科 准教授
稲垣 春樹 [INAGAKI Haruki]
秋田県生まれ。ロンドン大学キングズ・カレッジ修了。PhD (History)。イギリスおよびイギリス帝国の近現代史が専門。現在の研究テーマは、緊急事態と法の支配からみるイギリス帝国史、イギリス帝国を批判した白人の歴史、イギリス帝国と国際的な人権保護の関係史。最近の業績は、「19〜20世紀イギリス帝国における法と暴力についての研究動向」『日本植民地研究』37号(2025年11月);「イギリス帝国とインド——主権を分有する帝国——」中澤達哉責任編集、歴史学研究会編『「主権国家」再考——近代を読み替える——』岩波書店、2025年;「イギリス帝国と法」『思想』1203号(2024年7月)など。

第2回 2026/05/16(土)中世日本の「光」と「闇」

文学部史学科 准教授
谷口 雄太[TANIGUCHI Yuta]

第2回は中世の日本。中世は大河ドラマなどでもおなじみの乱世の群雄たちが活躍した時代で、とても人気があります。中世は清冽な武士たちが台頭し、古代の腐敗した貴族たちを圧倒した、輝けるイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし同時に、打ち続く戦乱や飢饉などによって、安全が崩壊した時代でもあり、人々が常に死や悲しみと隣り合わせだったことも忘れてはいけません。動乱の中で花開くものと、混乱の中で失われるもの。輝ける中世と、暗黒の中世、この両面を史料に基づきしかと凝視することで、中世のリアルに迫ります。同時に、史学科でふだん講義している「史料の読み解き方」もこの機会にお話しします。

<プロフィール>
青山学院大学 文学部史学科 准教授
谷口 雄太[TANIGUCHI Yuta]
1984年、兵庫県生まれ。2015年、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得満期退学。現在、青山学院大学文学部准教授、博士(文学)。
【主要著書】『中世足利氏の血統と権威』(吉川弘文館、2019年)、『〈武家の王〉足利氏』(吉川弘文館、2021年)、『分裂と統合で読む日本中世史』(山川出版社、2021年)、『足利将軍と御三家』(吉川弘文館、2022年)、『鎌倉幕府と室町幕府』(共著、光文社、2022年)、『足利一門と動乱の東海』(編著、吉川弘文館、2024年)、『足利御三家』(編著、戎光祥出版、2026年)

第3回 2026/05/23(土)古代ギリシアの「光」と「闇」

文学部史学科 准教授
杉本 陽奈子[SUGIMOTO Hinako]

古代ギリシアと聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。古代ギリシア、とりわけ紀元前5~4世紀頃のアテナイでは、民主政、哲学をはじめとする諸学問、演劇…など、現代にもかかわりの深い文化が花開いていました。一方で、このような繁栄の裏側には自由を奪われた「奴隷」たちの存在がありました。それでは、こうした奴隷は当時の人口の何パーセントくらいを占めていたのでしょうか。どんな仕事をして、どんな扱いを受けていたのでしょうか。奴隷身分から解放してもらえる可能性はあったのでしょうか。アテナイで行われた裁判の記録や碑文からは、実は奴隷といってもその実態は多様であったこと、そして当時の人たちが奴隷の扱いをめぐって複雑な思いを抱いていたことが読み取れます。奴隷の世界を切り口に、古代ギリシアの「光」と「闇」を見ていきましょう。

<プロフィール>
青山学院大学 文学部史学科 准教授
杉本 陽奈子[SUGIMOTO Hinako]
京都大学大学大学院文学研究科博士後期課程修了。東北大学大学院文学研究科助教、山形大学人文社会科学部講師を経て、2024年4月より青山学院大学文学部准教授。専門分野は、古代ギリシア史。主な著書は『古代ギリシアと商業ネットワーク』(京都大学学術出版会、2023年)他。

第4回 2026/05/30(土)中世ヨーロッパの「光」と「闇」

文学部史学科 准教授
後藤 里菜[GOTO Rina]
みなさんは中世ヨーロッパと聞いて、何を思い浮かべますか。外国の美しい教会や城でしょうか。
中世の人々にとって、光とは神で、太陽光がステンドグラスをつうじて射し込む様子を見上げながら、神からの眼差しを感じていました。聖遺物容器にほどこされたきらびやかな宝石もまた、天国への道筋でありえました。
他方で、闇の時間、夜とは、死者たちおよび悪魔たちが跋扈する時間帯でした。夢の中にも悪魔が入り込み、誘惑され罪をおかしてしまう恐れがあったため、修道士たちは極力暗いうちから起きて、祈りの業に専念しました。罰を与える悪魔たちと、泣き叫ぶあの世の罪人たちからなる空中を駆ける集団、エルカンは、日本の百鬼夜行をも彷彿とさせます。そうしたイメージは、中世キリスト教世界以前のゲルマンやケルトの世界観、暗い森の神秘的なイメージや、死生観とも関わっています。
本講義では、中世の人々の感情や心性から、中世ヨーロッパの光と闇について考えてみたいと思います。

<プロフィール>
青山学院大学 文学部史学科 准教授
後藤 里菜[GOTO Rina]
愛知県生まれ。2020年、東京大学大学院総合文化研究科博士(学術)取得。現在、青山学院大学文学部准教授。専門・関心は西洋中世史、心性史、女性神秘家。
【主要著書】『〈叫び〉の中世——キリスト教世界における救い・罪・霊性』(名古屋大学出版会、2021年)、『沈黙の中世史——感情史から見るヨーロッパ』(筑摩書房、2024年)

第5回 2026/06/06(土)近代中国の「光」と「闇」

文学部史学科 准教授
土肥 歩[DOI Ayumu]
数千年続く中国の歴史において、突発的に発生する洪水やかんばつなどの自然災害は民衆生活に混乱をもたらし、時として王朝の崩壊にもつながりました。それゆえ、歴代の為政者たちは被災者の救済や各種制度の整備に大きな関心を向けていました。しかし、これに加えて、19世紀以降の中国では欧米の宣教師や外交官たちが救済活動を独自に実施していたことも見逃せません。それでは、その国際的な取り組みは中国に何をもたらしたのでしょうか。講演者が研究を進めている中国南部を事例に、それらが地域社会にもたらした「光」と「闇」を分析したいと思います。

<プロフィール>
青山学院大学 文学部史学科 准教授
土肥 歩[DOI Ayumu]
2007年3月に青山学院大学大学院文学研究科史学専攻博士前期課程を修了後、同年4月より東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻に在籍。2014年3月に博士号(学術)取得。この後、各大学の非常勤講師、同志社大学文学部文化史学科助教、青山学院史研究所助教などを経て、2025年4月に本学文学部史学科准教授として着任。主要研究テーマは19世紀以降の中国南部におけるプロテスタント伝道や地域社会論など。単著に『華南中国の近代とキリスト教』(東京大学出版会、2017年)がある。

講座申し込み

受講形式は対面又はオンラインとなります。講義当日は、ご都合の良い受講形式でご受講ください。受講形式を講義日毎に変更することも可能です。

CONTACT

  • お問い合わせ先

    青山学院大学社会連携部社会連携課

    〒150-8366 東京都渋谷区渋谷4-4-25

  • TEL / MAIL

    03-3409-6366

  • 受付時間

    月~金 9:00~17:00 (事務取扱休止 11:30~12:30)