文学部の5つの学科によって構成される人文科学研究所は、文学、思想、芸術、歴史、言語等、人文学を基礎とした教育研究活動の推進、および個々の研究領域の枠を超えた学際的な連携を目的に設置されています。この目的を達成するため、毎年複数の教育研究プロジェクトを実施し、研究論文集の発行、講演会やシンポジウムの企画・運営を行っています。
2025年度は、「AGU環境人文学フォーラムの発展」、「伝統芸能における古典のよみがえり――継承と創造の可能性を探る」、「中世北インドのペルシア語文化とイスラーム学術」、「「山𠮷文庫」の研究――森田甫三・千庵父子の日記と書状の研究」の4つのプロジェクトが実施されました。このうち「中世北インドのペルシア語文化とイスラーム学術」を除く3つのプロジェクトは過年度からの継続、また「AGU環境人文学フォーラムの発展」は英米文学科と日本文学科、「伝統芸能における古典のよみがえり」はフランス文学科と比較芸術学科の2つの学科に跨がる学際的なプロジェクトとなっています。
2025年11月には、上記の研究プロジェクト「伝統芸能における古典のよみがえり」の活動の一環として、「〈帰ってきた〉はじめての講談・これからの古典」と題するシンポジウムを研究所後援の形で開催、講談師の神田伊織さんによる講談の実演(「赤穂義士伝 南部坂雪の別れ」+新作講談「『レ・ミゼラブル』より〈ファンチーヌ転落〉」)とプロジェクト構成員によるレクチャーに続き、「古典の演目の継承」をめぐる熱のこもった議論が展開されました。高座と教壇、忠臣蔵とフランス文学という異色のマッチングを実現したこのシンポジウムについては、2026年度に刊行される『文学部附置人文科学研究所論叢』第8号に詳細な報告が掲載される予定です。
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学部・研究科附置研究所 2025年度 活動報告
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| 学部・研究科 | 研究所 | 所長 |
| 文学部 | 人文科学研究所 | 荒木 善太 |
| 教育人間科学部 | 教育人間科学研究所 | 髙木 亜希子 |
| 経済学部 | 経済研究所 | 平出 尚道 |
| 法学部 | 判例研究所 | 山下 典孝 |
| 経営学部 | グローバル・ビジネス研究所 | 尹 志煌 |
| 国際政治経済学部 | 国際研究センター | 林 載桓 |
| 総合文化政策学部 大学院総合文化政策学研究科 |
青山コミュニティ・ラボ(ACL) | 竹内 孝宏 |
| 理工学部 | 機器分析センター | 下山 淳一 |
| 理工学部 | 先端技術研究開発センター(CAT) | 北野 晴久 |
| 理工学部 | 先端情報技術研究センター(CAIR) | 小野田 崇 |
| 理工学部 | ライフサイエンス研究センター(LSC) | 阿部 文快 |
| 社会情報学部 | 社会情報学研究センター | 長橋 透 |
| 社会情報学部 | リエゾン・ラボ | 長橋 透 |
| 地球社会共生学部 | 地球社会共生学研究センター | 菊池 尚代 |
| コミュニティ人間科学部 | コミュニティ活動研究所 | 黒岩 裕 |
| 大学院法学研究科 | ビジネスロー・センター | 大山 和寿 |
| 国際マネジメント研究科 | 国際マネジメント学術フロンティア・センター | 澤田 直宏 |
| 会計プロフェッション研究科 | 会計プロフェッション研究センター | 小林 裕明 |
| 学部・研究科 | 研究所 | 所長 |
| 文学部 | 人文科学研究所 | 荒木 善太 |
| 教育人間科学部 | 教育人間科学研究所 | 髙木 亜希子 |
| 経済学部 | 経済研究所 | 平出 尚道 |
| 法学部 | 判例研究所 | 山下 典孝 |
| 経営学部 | グローバル・ビジネス研究所 | 尹 志煌 |
| 国際政治経済学部 | 国際研究センター | 林 載桓 |
| 総合文化政策学部 大学院総合文化政策学研究科 |
青山コミュニティ・ラボ(ACL) | 竹内 孝宏 |
| 理工学部 | 機器分析センター | 下山 淳一 |
| 理工学部 | 先端技術研究開発センター(CAT) | 北野 晴久 |
| 理工学部 | 先端情報技術研究センター(CAIR) | 小野田 崇 |
| 理工学部 | ライフサイエンス研究センター(LSC) | 阿部 文快 |
| 社会情報学部 | 社会情報学研究センター | 長橋 透 |
| 社会情報学部 | リエゾン・ラボ | 長橋 透 |
| 地球社会共生学部 | 地球社会共生学研究センター | 菊池 尚代 |
| コミュニティ人間科学部 | コミュニティ活動研究所 | 黒岩 裕 |
| 大学院法学研究科 | ビジネスロー・センター | 大山 和寿 |
| 国際マネジメント研究科 | 国際マネジメント学術フロンティア・センター | 澤田 直宏 |
| 会計プロフェッション研究科 | 会計プロフェッション研究センター | 小林 裕明 |
教育人間科学研究所の目的は、教育人間科学部において、教育学、心理学及び人間科学を中心とする教育研究活動を推進すること並びにこれらの学問研究間の連携を図ることです。この目的を達成するため、例年、教育研究プロジェクトを募集しています。2025年度は、「持久性サイクリング中の外側広筋酸素化動態の左右差と運動能力との関係」「発達支援における絵本活用の実態調査と支援ガイドの作成」「大学生の英語アカデミックライティングの経験に関するナラティブ研究」「性暴力被害者の被害体験とその後の人生の意味づけに関する検討」「保育者の読み聞かせ実践知を可視化する絵本データベース構築に向けた予備的調査」「高等学校「論理国語」の「書くこと」の授業研究」「自己関連処理における物語視点とアレキシサイミア傾向の関係性:ERPを用いた検討」「多元共生を誰にも保障する教育のため、何の学問知をどう機能させていくのか イギリスにおける取り組みを手がかりとする意見交換・熟議により探究する」「音楽を専門としない小学校・幼稚園教員のための授業準備支援動画コンテンツ作成と活用分析」「自閉スペクトラム症者がカモフラージュする理由:「不確実性への身構え」から見た認知的基盤の検討」の10件が採択されました。これらの成果は、教育人間科学部紀要第18号に掲載される予定です。
その他の活動として、教員の学会活動補助制度、国際学術誌オープンアクセス論文掲載料補助制度、大学院生の研究活動支援制度の運用も行いました。今後も引き続き、教員及び大学院生の教育研究活動の推進に努めてまいります。
経済研究所の主たる目的は「青山学院大学経済学部に所属する教員の研究活動を支援するため、充実した研究活動を提供し、その成果を広く公表すること」にあります。そのため、本研究所においては、各種研究支援制度を拡充してきました。2025年度は、「短期研究プロジェクト」15件、「ワークショップ開催支援プロジェクト」(国内外の研究者を招聘し高度な研究報告とディスカッションを行う)1件、「刊行物助成制度」7件、「電子ジャーナルのオープンアクセス料助成制度」3件への支援の他、大型の共同研究である「中長期研究挑戦プロジェクト」1件への支援を行っています。また、学術雑誌『経済研究』やワーキングペーパーを刊行しており、研究成果の公表に利用されています。
経済研究所はこれまで、所蔵する海外専門誌・国内専門誌・統計資料等の学術雑誌・資料の充実に努めてきました。これらは、経済学の発展のために、広く研究者・学生に開放されています。
本研究所は、本学法学部の附置研究所として、国内外の判例並びに判例の生成及び展開に係る法律、政治、経済、社会、文化等について、その研究及び調査を行うことを目的として設置された機関です。この目的達成のために、①上記の研究・調査に係る企画、実施及び発表、②研究会の企画、実施及び研究成果の発表、③図書・資料の収集、整理、保管及び供用、④機関誌「青山ローフォーラム」の発行のほか、⑤研究所の目的を達成するために必要なすべての事業を行っています。近年は、① ② に資する研究プロジェクトの策定・支援、および③に挙げた図書等の収集に力を入れています。研究の成果は、機関誌「青山ローフォーラム」に発表されておりこれまで数多くの成果が蓄積されてきました。2025年度は、9件の研究プロジェクトが進行しました。なお一層の積極的な研究プロジェクトの成果公表が期待されます。
グローバル・ビジネス研究所(GB研)は、地球規模で展開する現代の企業経営を世界的な視点から研究するために、経営学部に附置され、経営学、会計学、商学、マーケティング、流通、ファイナンス等の各分野における研究・教育活動を支援しています。主な活動としては、研究プロジェクトの実施及びAOYAMA BUSINESS REVIEWの刊行があります。これらの活動から得られた研究成果は、関係学会や産業界への貢献だけでなく、学部・大学院における研究・教育にも活かされています。
2025年度は以下の各研究プロジェクトを実施しました。
・高度サプライチェーン人材育成のための教育プログラム開発に関する検討
・「スポーツマネジメントキャリア演習」によるアクティブラーニング実践と評価~大学総合型地域スポーツクラブの社会課題への取り組みの検証~
・戦略管理会計に関するアクティブラーニング用の教育プログラムおよび教材の開発検討
・卓越した定年後研究者の講演動画アーカイブ化整備事業
・都市・まち、空間と流通、商業、サービスの研究
・障害者雇用の制度と実践-国際比較に基づく課題の検討
国際研究センターは、教員の研究・教育活動の促進を目的として、1989年に国際政治経済学部に附置されました。主な活動内容としては、研究プロジェクトの運営、研究会・セミナーの開催、関係図書および資料の充実、諸研究教育機関との学術交流などが挙げられます。
2025年度は21件のプロジェクトが実施され、いずれも国際的で学際的な研究内容となりました。こうした研究交流を促進するとともに、国際政治経済学部・研究科出身の若手研究者が発表する場を提供することも、本研究センターの特徴となっています。
青山コミュニティ・ラボ(以下ACL)は、2008年度創設の総合文化政策学部・大学院総合文化政策学研究科附置の研究機関および教育研究実践支援組織として、2009年度に出発しました。研究活動の場を青山学院アスタジオに、ACL図書室を青山キャンパスに置いています。社会との連携を視野に、総合的学術研究の深化、文化の創造とマネジメント、文化の交流および政策立案に関する研究を進め、大学院生の研究プロジェクト、学部生のラボアトリエ実習支援を担っています。
ACLにおける研究は、メディア文化、ソーシャルデザイン、表象文化を柱としますが、人文学、歴史学、社会学、経済学、経営学、情報科学などの学問の総合のうえに、2025年度は、復興記念館、難民とアート、軽井沢の文化的変容、CG制作環境の実験、コンテンツを活用した地域創生、フランスの精神分析の歴史、女性の就業に影響する要因の国際比較、アートプロジェクトのデザインと観客の受容、日本のキリスト教文化に影響を与えた説教の特質など、多彩な実践的領域へ広がるさまざまな研究がおこなわれました。これらの研究成果は、2020年度に立ち上げたメディア・コンプレックス「MEDIA X AOYAMA POROSITY」で順次公開予定です。
機器分析センターは、教育・研究の活性化、産業界や地域との連携などを強化し、21世紀の科学技術の発展に寄与することを目的に2003年4月に理工学部に設置されました。ここでは、大学の先端科学分野の研究に欠かせない様々な最新鋭・大型の分析機器などを集中管理し、学内の学生、教員の研究や外部機関との共同研究を支援・推進するとともに、分析技術の向上を目指した研究・開発にも積極的に取り組んでいます。
主な分析機器として、低加速走査型電子顕微鏡、電子線マイクロアナライザー、原子間力顕微鏡、X線光電子分光装置、薄膜X線解析装置、レーザーラマン分光装置、集束イオンビーム加工装置、2020年度にAOYAMA VISIONの支援により高分解能透過型電子顕微鏡を更新し、2022年度には最新の多目的X線回折装置を導入しました。2026年度中には最新鋭の走査型電子顕微鏡を導入する予定です。2025年度の利用は延べ1750件、総利用時間は10576時間とほぼ毎日、日夜利用されており、機器の更新によってより質の高いデータがより短時間の利用でも得られるようになっています。
先端技術研究開発センター(CAT)は、1996年度に選定された文部科学省(旧文部省)の「私立大学ハイテク・リサーチセンター整備事業」を契機に、1998年度より理工学部に附置されました。「世界をリードする研究」と「外部に開かれた研究」を基本理念に、理工学部の研究教育環境整備と国際的な研究拠点形成を目指し、2004年度の理工学研究科改組後、領域横断的な研究活動の推進と幅広い研究領域の包括を担うため、相模原キャンパスK棟内にCAT実験研究室と共用クリーンルームを整備しました。現在は、学部附置研究センターとして、年間20件以上のCAT研究プロジェクトを実施すると共に、科学技術振興機構(JST)の「さきがけ」プログラムや国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の先導研究プログラム/未踏チャレンジに採択された若手研究への拠点形成支援、CATプロジェクトに参画する助教・助手の出張旅費補助、オンライン開催される成果報告会での学生ポスター発表表彰、などの若手支援を先導し、世界をリードする先駆的研究の展開拠点として貢献しております。
理工学部附置先端情報技術研究センター(CAIR)は、生成AIの台頭をはじめ、加速度的な発展を見せている現在の情報化社会の要請に応え、さらなる技術革新を促進し、その技術を支える人材を育成するために設置されました。そのために、人間情報学、計測と制御、モデリングと最適化、計算知能の4分野を中心とした情報系最先端の研究・教育活動を推進し、その研究成果と人材を社会に還元しています。また、機械学習をはじめとする人工知能に関する学内の研究拠点として機能するための活動を推進しています。2025年度は、AIの実応用、非接触型生体計測技術、移動ロボットの先進的自動制御、新たなセンシング技術などに関する8つの研究プロジェクトを実施するとともに、大学院生を含む若手プロジェクトメンバーの国際会議発表支援、理工学研究科におけるデータサイエンティスト育成プログラムの運用支援を行いました。
青山学院大学理工学部の附置研究施設として2022年4月に設立された「ライフサイエンス研究センター(Life Science Research Center, LSC)」は、本年で5年目を迎えました。本センターは、生命現象に内在する複雑かつ精緻なメカニズムの解明を目的として活動しており、その研究成果は医療・創薬、食料、環境といった幅広い分野において、国民生活の質の向上や持続的な経済発展に寄与しています。2025年度には、酵母菌ゲノムに存在する未知の遺伝子 EHG1 が、高水圧や低温といった極限環境下で生育するために、細胞膜上の栄養源輸送体の機能を安定的に維持する役割を担うことを明らかにしました。また、キネシンは二本の足を交互に動かして微小管上を移動し、細胞内輸送を担う分子モータータンパク質です。マサチューセッツ工科大学のRonald Vale教授との共同研究で、二つの足をつなぐリンカーの向きが、後ろ足を先に微小管から解離させるうえで重要であることを示しました。さらに、クライオ電子顕微鏡などを用いた共同研究により、二つの足の協調運動を支える構造基盤を明らかにしました。
社会情報学部附置社会情報学研究センターは、理系や文系といった従来の枠組みにとらわれることなく、社会システムの諸問題を実際に解決していくために、社会科学、人間科学、情報科学、数理科学などの多角的な視点から学問研究を推進することを目的に相模原キャンパスに設立されました。
本研究センターの事業は、1)研究・教育プロジェクトの立案、申請及び運営、2)研究会の開催、3)学術交流の企画及び実施、4)関係図書及び資料の収集、整理、保管並びに供用、5)研究論文集の発行などです。研究プロジェクトは1年から5年の研究期間の中で設置され、社会情報学部、社会情報学研究科はもとより、外部の特別研究員もプロジェクトメンバーの構成員となることができます。
研究成果は年1回発行される本研究センターの論文集『社会情報学研究』に掲載されます。
社会情報学部附置リエゾン・ラボは、学内諸機関、地域社会、内外の行政組織・諸団体、企業及び他大学等の学外諸機関との連携協力を目的に、生涯学習ラボと地域連携ラボで構成されています。
生涯学習ラボでは、芸術表現体験活動として、相模原市の小学生を対象とした「サガキャンキッズクラブ」をはじめ、鳥取市などの人口減少地域での新しい学校の魅力づくりやコミュニケーション教育として、芸術表現体験活動をワークショップ型授業として展開している学校や教育委員会を支援しながら、それらをフィールドとして、参加した小中学生のコミュニティ形成のプロセス研究と、ファシリテーターとして参加している大学生の共感性と介入状況を軸としたファシリテーション研究を展開しています。
また、社会人を対象にDX時代を担う人材を育成する履修証明プログラムADPISA(Aoyama Development Program for Information Systems Architect)も展開しています。2025年度は、従来のADPISA-H、ADPISA-Mの履修証明プログラムに加え、遠隔地からの参加や多忙な社会人の学習ニーズに対応するため、完全オンライン形式のコースを新たに設定しました。各科目では、生成AIを活用したAIチュータによる事前・事後学習を組み合わせ、限られた授業時間の中でも学習内容の理解と定着を高める教育を実施しました。さらに、企業連携として、日産自動車株式会社および株式会社メンバーズと連携し、それぞれの企業における人材育成上のニーズを踏まえながら、DXを推進する人材の育成に取り組みました。
地域連携ラボでは、相模原市と連携して、相模原市の地域紹介や政策についての講義の実施や、PBL(Project Based Learning)を行政テーマとして、地域活動へ若い世代の参画を促す方法、交通事故分析と対策提案などの課題を頂き、研究・教育の活動に反映させています。また、環境審議会や都市計画審議会、区民会議への参画や、地域のオープンデータの普及活動の推進も行っています。
地球社会共生学研究センターは、国内外諸機関との連携を図ることにより、社会共生に関わる諸問題の研究、及び調査を進めるとともに、途上国又は新興国で活躍するグローバル人材育成に資する教育研究活動の支援・推進を目的としています。
2025年度は、以下の6件の研究プロジェクトを採択しました。①「海外大学院進学までの卒業生指導成果及び経験集約のための調査研究」(代表:村上広史教授)は、卒業生4名への海外大学院進学指導を通して得られた知見を集約し、報告書として取りまとめました。②「STEAM教育教材を用いた教育効果に関する研究」(代表:林拓也教授)は、タイのカセサート大学附属高校及びコンケーン大学、並びに麗澤中学高等学校において独自設計のワークショップを実施し、認知能力と非認知能力の関係について重要な示唆を得ました。③「国際理解のためのJapan Studies Program教育に関する調査」(代表:亀井ダイチ アンドリュー准教授)は、本学部Japan Studies Programの教育改善を目的として、学生の関心に基づく資料紹介や聞き取り調査を行い、開講科目のあり方を検討しました。④「外国人留学生の社会的統合と交流困難に関する実証的研究:JASSO調査の二次分析を中心に」(代表:塚田祐介助教)は、JASSO調査の個票データを用いて東南アジア出身留学生が直面する生活・社会統合上の困難を実証的に分析しました。⑤「地球社会共生学の経済学・経営学的アプローチ」(代表:山下隆之教授)は、神奈川県の観光・地方創生を題材に「競争」と「共生」の関係を分析しました。代表者はその成果の一環として、共著書『On the Structural Transformation of the Japanese Economy 1985-2023』をSpringerより刊行しました。⑥「GSCの留学効果測定プロジェクト」(代表:小堀真准教授)は、本学部海外派遣留学プログラムの学習効果測定に取り組みました。以上6件の研究成果は『青山地球社会共生論集』等で報告いたしました。
本学部は昨年10周年を迎え、本研究センターも「共生社会」の構築に貢献する研究拠点として、研究活動のさらなる支援に努めてまいります。
コミュニティ活動研究所は2025年度で設置7年目となります。2020年度からの数年間はコロナ禍で調査研究活動が厳しく制限されましたが、その間も教育、研究、社会貢献という3つの目的のために出来る範囲で活動を続けてまいりました。
研究所設置初年度には第1期生となる1年生の地域に関する体験と知識を調べるアンケート調査を実施しました。新入生を対象とするこの調査は2019年度から2022年度まで4年間継続して行なわれました。また初年度の所報には地域実習受け入れ先の担当者による講義の記録も掲載されました。地域実習に関する講義録はシリーズとして2019年度から2023年度まで続けられました。コロナ禍前の2019年度には英語教育と自然体験を組み合わせた山村留学プログラムを提供する群馬県高崎市の「くらぶち英語村」に関する報告もありました。
2020年度の所報では様々な地域に研究拠点を設置することが提案され、弘前学院大学と大分県日田市との連携の試みが報告されました。全国各地の地域社会を訪問し、研究活動拠点の検討を進めることは学部と研究所にとって今後の重要な課題でもあります。
2021年度の第3号所報では「コミュニティ活動研究」という学問領域の学術的基礎を構築するため、コミュニティ活動研究所において長期的な基礎研究を行なうことが提案されました。長期的な基礎研究はコミュニティ活動研究の領域を広げる遠心的研究とコミュニティ活動研究の本質を探究する求心的研究から構成されるものと定義されました。第3号所報では求心的研究の一環として、鈴木眞理初代学部長と耳塚寛明先生にコミュニティを論ずる座談会を行なって頂き、その内容を掲載しました。
2022年度には求心的研究として「地域社会調査法入門」の3つの科目のコンビナーによる授業内容や課題、今後のありかたを論ずる座談会を行ないました。2023年度には同じく求心的活動として、本学部と類似した学部である國學院大學観光まちづくり学部を取り上げ、方法論に関する授業の比較検討が行なわれました。
2023年度は「コミュニティ活動研究プロジェクト」の募集が初めて行なわれました。募集初年度には那須まちづくり広場を拠点として「那須英語セミナー」を2年間実施するプロジェクトが採択されました。2024年度には2件目のプロジェクトとして「大学生が関係人口として過疎地域に関わることによる教育効果、および地域活性化効果に関する研究」が採択されました。このプロジェクトも2年計画で実施されました。これら2件のプロジェクトは遠心的研究と位置づけることができます。
2025年度には地域実習に関する新たなシリーズとして、地域実習担当の先生方に地域実習の記録を執筆して頂くことになりました。初めての試みでしたが、2025年度は5名の先生方にご執筆いただきました。2025年度にはこれもまた初めての試みとして研究所主催の講演会を行ないました。講師は東京都社会福祉協議会の東京ボランティア・市民活動センター副所長の森純一氏にお願いし、講演の内容を所報に掲載しました。
コミュニティ活動研究所の今後の課題としては、まず研究所の長期的な基礎研究として求心的研究と遠心的研究を継続することがあります。長期的な基礎研究は10年単位で行なう息の長いものになる予定です。また新シリーズとして始めた地域実習に関する活動記録は来年度も実施する予定です。全国各地で行なわれている地域実習の経験知を学部の教員と学生が共有することはコミュニティ人間科学部にとっても意義深いことだと考えています。研究所主催の講演会や座談会も来年度以降引き続き行なう予定です。また協力関係が築ける地域に研究拠点を設けることも今後の重要な課題です。
ビジネスロー・センターは、法学研究科におけるビジネスローに関する研究教育活動の発展に寄与することを目的として設立されました。法学研究科ビジネス法務専攻と密接な関係を持っているところ、ビジネス法務専攻が現在では税法務に特化したプログラムになっているため、ビジネスロー・センターも税法務に関する活動を中心に行っております。
2025年度は、研究成果の発表として、紀要(青山ビジネスロー・レビュー)を2号発行しました。前述の通り、ビジネスロー・センターが税法務に関する活動が中心であったため、青山ビジネスロー・レビューも、近年は税法に関する論稿のみでしたが、2025年度には税法以外の論稿も、掲載することができました。
また、松野亮氏(法学研究科ビジネス法務専攻修了生、税理士)が青山ビジネスロー・レビューに掲載した論文に対して、第48回(令和7年度)「日税研究賞」が、授与されました。このことは、同氏のご研鑽の賜物であることはもちろんですが、本センターの発行する青山ビジネスロー・レビューの水準の高さが、社会的にも評価されたものだと考えております。
国際マネジメント研究科は「社会的責任(Social Responsibility)を果たし、地球市民(Global Citizen)として活動する創造的リーダー(Creative Leader)の養成と、時代をリードする研究活動を通して、豊かな未来を切り拓くことに貢献する」というミッションを達成するため学術フロンティアセンターを設置しております。定期的な活動として毎月1回(除く8月)教員等が各々の研究活動・教育活動についてセミナー報告を行っています。同セミナー報告は申請に基づき助成を受けたプロジェクトの進捗・成果を報告する機会となっております。また、新たな教育活動の試みについての報告の機会でもあり、FD(ファカルティ・ディベロップメント)活動の一環ともなっています。
2025年度は慶應義塾大学経営管理研究科(慶応ビジネススクール、KBS)元委員長 河野宏和名誉教授に、ビジネススクールの国際認証取得についてご講演いただきました。また、本研究科 伊藤晴祥教授が参加したハーバードビジネススクール主催ケースメソッド教授法セミナー、中塚昭宏准教授が参加したKBS主催ケースメソッド教授法セミナーの報告も行われました。このように学術フロンティアセンターでは教員の「ビジネスにおける各分野の先端的理論」の探求を支援するとともに、国際認証獲得にともなう教育体制の整備法、およびケースメソッド教育等の先進事例の紹介も行うことで、本研究科のミッションの達成を支援しています。
会計プロフェッション研究センターは、会計プロフェッション研究科の研究活動の基盤的な役割を担うために設立されました。
本研究センターは、研究紀要である『会計プロフェッション』を毎年3月に発行し、研究科教員による会計・税務・法律・経営の各分野に関する専門論稿を掲載しています。
このほか、学術専門誌として『青山アカウンティング・レビュー』を定期的に刊行しています。本誌は、会計研究者、監査法人・企業・税理士法人の実務家を対象に、会計・税務に関する最新の動向を踏まえた専門的課題を各号のテーマに据え、研究者・実務家・専門家による論稿から構成されています。さらに、対談・実務報告・書評・エッセイなどを集め、現代会計の実相を多角的な視点から掘り下げています。
2025年発行の第15号は、「会計プロフェッション研究科20周年記念号」として、「会計プロフェッションの研究と課題」をテーマに、研究科教員の専門論稿を集めて編集されました。国際会計、監査、管理会計、国際課税、ビジネスローのそれぞれの専門領域に関する研究テーマを持ち寄り、実務的な視点を交えながら各分野における研究課題について専門的視点から論じています。
会計プロフェッション研究センターは、引き続き、高度専門職の育成を担う会計専門職大学院の研究活動の基盤として、積極的に研究情報の発信を継続してまいります。