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研究科長あいさつ

経済学研究科長 中村 まづるの写真

経済学研究科長
中村 まづる [Mazuru Nakamura]

近代国家の経済発展とともに市場経済のメカニズムを明らかにした経済学は、社会科学の中でもっとも体系化された学問です。経済問題の本質を精緻に認識するミクロと、社会全体への波及効果やその帰結を把握するマクロの、複眼的な思考が軸となっています。経済理論が論理的に証明したメカニズムを、現実に即して実証する分析手法も飛躍的に進歩しました。

さらに、経済の発展に伴う様々な社会問題を解決する上で、市場経済の限界も古くから指摘されてきました。高度成長とともに拡大した公共部門の役割は、1970年代以降、むしろ政府の失敗として社会的コストと認識されるようになりました。近年は市場の活力が、新興国の経済発展、先進国の経済再生の鍵となっています。

1990年代以降、各国の経済はクローバル化、高度情報化、人口高齢化、地球環境問題などを通じて、より一層、関係が緊密になっています。ヒト、モノ、おカネの流れは国境を越え、世界中が一つの大きな市場へと発展しているなか、リーマン・ショック後は、改めて市場の暴走を制御する秩序が求められています。

2009年に女性初のノーベル経済学賞を受賞したエリノア・オストロム教授は、共有資源を管理保全するセルフガバナンスの可能性を示しました。市場だけでも、政府だけでもなく、利害関係者が自主的にルールを定めてコミュニティの役割を果たしたとき、共有資源は最も有効に機能することを示しました。その意味で、社会という概念も柔軟に進化を遂げています。

経済学の分析手法は、市場経済の枠を超え、政治学、経営学、法学、社会学、心理学など様々な分野と融合して、社会科学の新たな学際的分野を構築する中心的役割を果たしています。経済学研究科での研究を通して、経済学を深く探求し、幅広く応用し、将来を切り拓く見識を極めてください。



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