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研究科長あいさつ

法学研究科長 細川 良 [Hosokawa Ryo]

法学研究科長 細川 良 [Hosokawa Ryo]

研究科長あいさつ

私が大学院に進むことを決めたのは、法学部3年生の後期でした。その際、当時所属していたゼミの先生や、結果的に大学院で指導を受けることとなる先生たちにいろいろと相談しましたが、ゼミの先生になぜ先物取引法の研究をしているのか尋ねたときに、「人間の欲望が最も先鋭的に表れるから面白いじゃないか」という趣旨のことをいわれたことを、今でもよく覚えています。私自身、現在は労働法を専門としていますが、それは単に労働関係における正義を追及したいという思いだけでなく、労働者と使用者という、一面では企業や産業の発展のために利害をともにしながら、他方では、経営のコストと生活の確保という利害の対立に直面するという、人間社会の複雑さを縮図としたような構図に興味をひかれ、その有り様についての探究を続けているのだと思います。人とは何か、人間社会とは何なのかという根源を知りたいという欲求や知的好奇心は、大学院に進み、研究者を目指す人を衝き動かす大きな動機付けだと思います。

もっとも、現在の大学院は、こうした(昔ながらの?)研究者を養成するという役割だけでなく、より幅広い意義や役割を持つようになってきています。必ずしも、研究者としての道に進み、それを突き詰めるというだけでなく、大学院における専門的な研究活動を通じて、より専門性の高いプロフェッショナルとしての知識や能力を身に着け、あるいは職業人としての活動や社会活動に活かすといった道も開かれています。情報化が高度に進展し、AIなどの技術が発展する今後の社会においては、学部の経験だけでは得ることのできない、大学院での専門的な経験こそが、職業人、社会人として生きていくために重要な役割を果たす時代が近づいてきていると思います。

青山学院大学法学研究科では、私法専攻・公法専攻(博士前期課程・博士後期課程)、ビジネス法務専攻(修士課程)という3つの専攻を設けています。私法専攻、公法専攻では、さまざまな法領域の中から研究テーマを設定し、探究することを希望する人を幅広く受け入れています。各専攻の教員が共同した、研究テーマの枠を越えた研究の方法論を享受する授業を設けて、修士論文の執筆等の研究の進め方について丁寧な指導を行っています。また、修士論文の執筆を経て、博士後期課程への進学を希望する人には、より高度な研究に向けて、指導教員を中心とした指導体制を設けています。
加えて、ビジネス法務専攻は、2018年度以降、「税法務プログラム」に特化し、税法務についての専門性を高めることを希望する実務家や社会人の皆さんを幅広く受け入れており、毎年のように、非常に質の高い修士論文を執筆した修了者を多く送り出しています。
このように、それぞれの院生の皆さんの目的に沿った指導体制が確立され、高い目的意識を持った院生が集まる青山学院大学の法学研究科で、共に高め合う志を持った皆さんの入学をお待ちしています。