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学びの特色とカリキュラム(ヒューマンライツ学科)

CURRICULUM 学びの特色とカリキュラム

ヒューマンライツ学科では「法は人権が尊重される社会を実現するためにある」という原点から、問題解決に必要な、法・政治・経済についての生きた知識を学びます。学科の名称に「人権」でなく「ヒューマンライツ」を冠しているのは、国境を越えた普遍的な価値としての人権概念に基づいています。

1年次には、法学の基礎を学ぶため「法学入門」「民法入門」「刑事法入門」「法哲学」が必修となっています。学科独自の必修として「ヒューマンライツの現場」があり、人権問題に関わるドキュメンタリー映像を見たり、人権侵害に苦しむ当事者の生の声を聞いたりしたうえで、法の役割を考えます。また、人権問題を考えるうえでは、法の知識に加えて経済学、政治学、社会学など隣接する社会科学分野の知識も必要となるため、人権問題の現状を把握するためにデータの分析手法を学ぶ「社会調査論」のほか、「政治学入門」「経済分析入門」「公共政策入門」が選択必修となっています。

2年次には、国内法である憲法と、国際的な人権基準である国際人権法の双方の観点から学ぶ「人権法入門」が必修となっており、「戦争・紛争と人権」「貧困と人権」「ジェンダーと人権」など具体的な人権に関わるテーマ別科目を履修できるようになっています。また、「ジャーナリズム論」では人権問題を報じるジャーナリズムの役割を学ぶことができるほか、英語で人権問題を議論する科目、フィールドワークを用いた科目も開講されます。

3・4年次には、より本格的な専門科目を展開し、ゼミで自分の興味・関心に沿って問題を探究していきます。また、「子どもと人権」「ビジネスと人権」「性的マイノリティと人権」「キリスト教と人権」などの科目が開講されるほか、日本赤十字社とのタイアップで開講される「国際社会と人道支援」では、人道支援でグローバルに活躍する方々から実体験を聞く機会も設けられます。

*開講科目の授業内容は、以下リンク先から検索し閲覧することができます。

COURSE MODEL 履修モデル

ここで紹介する履修モデルは、あくまでも一例です。

COURSE FEATURES 主要科目の特長

ヒューマンライツの現場B

人権について学ぶとき、従来の法学部教育では、憲法や法律の規定とその解釈(学説・判例)から始めることが通例でした。それも必要なことですが、そのような方法だけでは、人権の理念や規定が現実にどのような意義をもっているのか実感しづらいことも事実です。1年次後期に配置されているこの授業は、1年次前期の「ヒューマンライツの現場A」と並び、ドキュメンタリー映像やゲストスピーカーのお話を通して、社会の中にある様々な人権問題の現状を知ることから始め、それらの問題に対して法がどのような役割を果たしうるかを考えていこうとするものです。このような授業の方法・内容は、人権に関する既存の規定をどのように適用できるかを考える側面(解釈論)と、既存の規定が不十分な場合にどのような規定を必要とするかを考える側面(立法論)の両方に関係しており、前者だけでなく後者の視点も重視しています。

この授業が扱うテーマは多岐にわたり、基地・軍隊と人権(米軍人による犯罪や、基地による生活被害)、基地・軍隊とミリタリズム(イラク戦争などにおける軍事行動とその破壊的結果)、労働者の権利(長時間労働による過労死)、原発事故がもたらした人権侵害、性暴力とその救済、世界のヒューマンライツと日本のヒューマンライツなどを取り上げています。教員やゲストスピーカーによる講義だけでなく、受講生によるグループディスカッションも行っています。
(担当教員:申惠丰教授、森本麻衣子准教授)

科目名 特長
ヒューマンライツの現場A ヒューマンライツ学科の導入となる講義科目であり、受講者には、映像を見たり、現場を知る人の話を聞くことを出発点として、日本と近隣諸国の人権問題の現実をまずは「直視する」ことが求められる。
ヒューマンライツの現場B 「ヒューマンライツの現場A」を受けて、さらに、国内外のさまざまな人権問題を見ていく。軍事力の行使・ミリタリズムと人権、労働者の権利、性暴力、原発事故と人権など多彩なテーマが取り上げられる。
人権法入門 人権問題に法的にアプローチする際の基礎知識となる憲法(特に「人権保障」)と国際法(特に「国際人権法」)の概要について講義する。前者は日本国内における人権保障の制度を、後者は国際社会における人権保障の制度を定めるものであり、それらの両者の概要を学ぶことによって、個別の人権問題の多くが日本国内だけでなく世界に広がりを持つことを理解する。
国際人権法 人権は基本的には各国の憲法体制によって保障されるが、今日、そうした国内法を補うものとして重要な役割を果たしているのが国際人権法である。戦後、国連を中心に国際人権規約、人種差別撤廃条約、女性差別撤廃条約などの条約が次々と作られ、日本もその多くを締結している。この講義では、これらの人権条約の内容、締結にあたっての国内法整備、人権条約の裁判規範性などについて論じる。
貧困と人権 「ワーキングプア」「グローバル資本主義と世界の貧困」「子どもと貧困」「野宿者・ネットカフェ難民」など、貧困にまつわる諸現象を取り上げ、現代社会の経済格差から生じる問題を検討する。映像資料などを通じて当事者の目線で問題を理解することを目指すとともに、それぞれの現象の構造的背景、法や社会制度を通じた問題の解決策を議論する。
ヒューマンライツ・フィールドワーク 学生が、人権問題を自ら発見し、調査・取材することのできる力を養う演習形式の授業である。休日等を利用し、講師と共に実際に現場に赴き、人権問題の現実を直接見て、考え、議論し、まとめる。
性的マイノリティと人権 性の多様性に関する概念を理解した上で、受講生によるグループディスカッションとプレゼンテーションを交えながら、性的マイノリティ(LGBT/LGBTQIA)概念を認識し、性的指向や性自認など(SOGI/SOGIESC)に関わる事例を通して、セクシュアリティに敏感な人権保障のあり方を考える。
メディア法 多数派志向になりがちな政治システムの中で、少数者の「人権」が保障されるためには、司法の役割と並んでマス・メディアの役割も重要になる。マス・メディアやジャーナリストの取材・報道にかかわるさまざまな法制度および倫理問題を、「取材・報道の自由」をキーワードに論じる。将来ジャーナリストやマスコミ人をめざす学生のみならず、いわゆる「メディア・リテラシー」を身につけたいと考える学生を対象とする。

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