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学部概要

MESSAGE 学部長メッセージ

総合/文化/政策

総合文化政策学部は、文字どおり、「文化」を学ぶ学部です。

「文化」は、人間が形成する社会集団のなかの、あるいは社会集団同士の、微妙で複雑な「関わり合い」によってなりたっています。しかし、「関わり合い」ということでいえば、人間と自然の関係ということがまずあるでしょう。実際、文化は、自然という土台のうえに築かれた「第二の自然」などといわれたりもします。ところが、災害にしろ感染症の流行にしろ、ふだんはおとなしくしている「第一の自然」がその牙を剥くとき、人間の文化などひとたまりもないということは、わたしたちがいま、世界中で経験している出来事です。

したがって、「文化を学ぶ」ということは、否応なく「総合」的な行為とならざるをえません。人文科学、社会科学、自然科学など、人類のあらゆる知恵をそれこそ複雑に関わり合せていく必要が、どうしてもでてきます。

しかしそれは、たんに幅広い教養を身につけるということを意味しません。コンパスをイメージしていただくとわかりやすいでしょう。針は一点に固定したうえで、鉛筆のほうはあくまでも自由に動かしていくという様子です。学部のカリキュラムでいえば、たとえば都市、国際関係、メディア、アートといった領域が、あるいはそうした領域のなかのもっと細かなジャンルの数々が、「針」を刺すポイントになるのでしょう。しかしそこからさきは自由に鉛筆を動かしながら、学生には、さらなる「関わり合い」の現場をいたるところに立ち上げていってもらいたい。それが、わたしたちのいう「政策」にほかなりません。

わたしたちの目標は、そうしたことのできる人材、すなわち「創造的世界市民」の育成にあります。文化的に多様な教員組織から、現場を重視した教育カリキュラムにいたるまで、すべてがそこを見据えながら構築されています。

人間と人間の関わり合いにおいても、また人間と自然のそれにおいても、いま、世界は激動のさなかにあります。「文化を学ぶ」こと、「創造的世界市民」であることの重要性が、これほど高まっている時代はめったにありません。われわれの学部の存在理由が問われているといっても、過言ではないでしょう。そうしたなか、わたしたちにあたえられたミッションをあらためて意識するとき、身の引き締まるような思いです。また、こういうときだからこそ、初心に立ち戻ることの大切さを痛感します。

世界が加速度的に変容していくのに対応して、総合文化政策学部もブラッシュアップしていきます。どうぞ引き続き、よろしくお願いいたします。

——総合文化政策学部 学部長
竹内 孝宏 [TAKEUCHI Takahiro]

ABOUT US 総合文化政策学部について

創造的世界市民の育成

本学部が提唱する「総合文化政策学」とは、文化や芸術によって、私たちの暮らしを、街を、時代を、もっともっと生き生きさせていくための学び。対象とするのは、古典からポップカルチャーまで、あるいは、音楽・映像・芸能・宗教・都市・メディア……と、あらゆる領域にわたります。そして、それぞれの創造の現場に関わる人たちの夢や目的を共有し、ともに力を合わせて実現していくための知恵が、本学部の考える「政策」です。つまり、文化や芸術を鑑賞や知識の対象とするのではなく、みずから、そこにある新たな価値の創造の可能性を見出すセンスを磨き、プロデュース、マネジメントする力を養う実践的な学びです。最先端で活躍する文化団体・企業・クリエイター・アーティストと連携し、実際にそのプロジェクトにも参加。みずからの手で具現化していくための知恵・身体知・技能を学びとることのできる、これまでの大学教育にはないチャレンジングな学部です。青山から世界へ、文化・芸術の創造と発展を目指して、新しい価値やセンスを提案、発信していきましょう。

教育研究上の目的

総合文化政策学部は、キリスト教信仰に基づく大学としての建学の精神に則り、国際社会における様々な場面において、寛容の精神を持ち、文化の交流と相互理解に貢献できる世界市民、多様な文化を理解するとともに、文化や芸術の創造に寄与し、豊かな人間の生を育むさまざまな文化芸術環境をデザインすることのできる人材、人間の知的かつ精神的な営為を深く探求し、文化の批判と創造、あるいは洗練についての学的体系を構築することのできる人材を育成することを目的とする。

このため総合文化政策学部の教育課程に、人類の文化的営為を総合的に捉える科目群、人間観、社会観、世界観を相対化し、批判的に理解するための科目群、文化や芸術を社会共通の財産とするための政策能力を獲得することを目的とした科目群を置くとともに、卒業後の活動領域を想定したコース・プログラム、教員研究及び各種連携組織との共同プロジェクトの一部を学生に開放した参加型教育プログラムを併設することにより、その教育目的を全うするものとする。

総合文化政策学部は、上記教育と並び、文化・社会及び芸術の創造と批判に関わる総合的な研究を行い、人類と社会の発展に貢献することを目的とする。この目的のため文化、芸術の諸領域についての創造的な学術研究を深化させるとともに、文化・社会の形成と発展に貢献するための政策科学の開発を行い、その成果を世界に発信することにより、人類共同の未来に奉仕することをその使命とする。