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グローバルな視座から「共生社会」を考える

青山学院大学 地球社会共生学部長 平澤 典男

青山学院大学
地球社会共生学部長
平澤 典男 [Norio Hirasawa]

現代社会の諸相と共生社会の理念

第1回 2016/7/2(土)

青山学院大学は2015年4月、相模原キャンパスに新しい学部を開設しました。「地球社会共生学部」という名称のこの学部は、21世紀の中葉に向けて到来が予想されている「アジアの時代」で活躍できる人材を育成することをミッションとしています。いつの時代であろうと高等教育の課題はそれぞれの時代に必要とされる人材の育成ですが、この学部は、今、私たちが教育する世代が社会の中堅となる2050年代の社会を予測し、それから逆算して必要な学問、コンピテンシーを今の若者に伝えたいと考え、さまざまな教育上の仕組みを設定しています。

さて、アジア開発銀行や英国シンクタンク・エコノミストはアメリカと西ヨーロッパは現在世界のGDP合計の4割を占めていますが、2050年には2割に減ずること、かわってアジアは現在の3割が5割を超えること、残りの3割はアフリカが生産することを予測しています。つまり、現代社会のグローバル化の将来はアジアにその中心が移動するというのです。中国経済が30年でどれだけ成長したかを振替えるとき、確かに30年という時間の経過は世界を大きく変える力があると信じないわけにはいきません。ただ、この予測が実現するにせよしないにせよ、その過程には越えなければならない大きな課題があることも確かです。グローバルイシューと呼ばれている問題群です。差別、貧困、紛争、情報格差、地球環境、生物多様性、人権、女性、公衆衛生・・・。これらの課題が国際的な(国単位の)仕組みでは解決できないことが、現代社会を「インターナショナル」ではなく「グローバル」と形容する理由のひとつです。これらの課題解決は次世代の新しい地球市民となる若者たちに委ねられることになるでしょう。だからこそ、彼らには時として衝突しがちな国、民族、宗教といった枠に自己を押し込めるのではなく、この枠を超えて協力しあうマインドを養ってもらいたいと考えます。私はそれが「共生」の2文字の意味する理念であると考えています。

プロフィール

青山学院大学 地球社会共生学部長
平澤 典男 [Norio Hirasawa]

一橋大学経済学部卒業。一橋大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。
専門は公共経済学。
一橋大学経済学部助手、ブラウン大学客員准教授、青山学院大学経済学部専任講師、助教授、教授を歴任。経済学部学部長、副学長を経て、現在は地球社会共生学部長。
主な著書『マクロ経済学基礎理論講義』、共著『チャートで学ぶ経済学』、訳書 ハル・R・ヴァリアン『入門ミクロ経済学』他

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