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東京一極集中の裏側:地方経済から見た、人口の東京一極集中の最新動向

青山学院大学<br>地球社会共生学部教授 <br> 山下 隆之[YAMASHITA, Takayuki]

青山学院大学
地球社会共生学部教授
山下 隆之[YAMASHITA, Takayuki]

東京一極集中の裏側:地方経済から見た、人口の東京一極集中の最新動向

第1回 2020/6/27(土)

青山学院大学地球社会共生学部教授    山下 隆之 [YAMASHITA, Takayuki]

 産業革命は大きな社会構造の変化をもたらしたが、人口移動もその1つである。鉄道等の普及により容易となった国内の人口移動は、経済の発展と成長に重要な役割を担った。わが国でも、第2次世界大戦後、地方圏から3大都市圏(東京圏、中京圏、関西圏)への人口移動が急速に生じ、それが戦後復興と高度経済成長を支えた。
 21世紀に入ると日本の人口は減少へと転じ、それに伴い人口移動の総数も減りつつあるが、東京圏への移動のみが継続している。しかも、最新の人口動態調査によると、東京圏への移動人口の内訳は女性の比率が上昇しているという特徴が生じていた。同時期の他の統計を関連させると、地方大都市では若年女性の東京都への流出が急増し、その一方で東京都では未婚女性が増えているという関係が見えてくる。かつて、東京圏への人口移動の主役は男性であった。それが近年になって何故、男女が逆転するようになったのか? その理由を探るのが本講義の目的である。未婚率の上昇や出生率の低下の背景にある人口移動の変化を、『人口移動の経済学』等での研究成果を踏まえ、人口流出県に転落した静岡県の事例から紐解いていきたい。

プロフィール

青山学院大学地球社会共生学部教授   
山下 隆之[YAMASHITA, Takayuki]


青山学院大学と同大学院で学んだ後、静岡大学人文学部助教授、静岡大学学術院教授を経て現職。専門分野は理論経済学。英国ヨーク大学にて在外研究をした折、高齢化社会の問題に遭遇し、人口減少社会に関する研究を始める。日本経済政策学会理事、日本システム・ダイナミクス学会理事を歴任。著書(編著)に、『地域経済分析ハンドブック』(晃洋書房、2016年)、『人口移動の経済学』(晃洋書房、2019年)などがある。