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青山学院大学<br>地球社会共生学部教授 <br> 菊池 尚代[KIKUCHI, Hisayo]

青山学院大学
地球社会共生学部教授
菊池 尚代[KIKUCHI, Hisayo]

デジタル社会と共生

第2回 2020/7/4(土)

青山学院大学地球社会共生学部教授   菊池 尚代
[KIKUCHI, Hisayo]

 新型コロナウイルスによる未曽有の事態に世界中が振り回される中、みなさんはどのように最新の情報を入手し、どのような理由でその情報を信用し、どのように周りの方々に伝えたでしょうか。

 近年の急速なデジタル化は情報や知識の構造を変え、私たちの生活や文化に大きな影響をもたらしており、学校教育でもメディア・リテラシー、デジタル・リテラシーを向上するためあらゆる取り組みが行われています。メディアのデジタル化は様々な側面からその特徴をみることができますが、例えば次の2点は私たちの現生活に密接につながっています。1点目はアナログメディアにはなかったデジタルなメディア様式(モード)についてです。デジタル環境では音、映像、画像、記号、文字、色といった多角的な要素に意味や文化を持たせ、さらにそれらを常に最新の状態にしておくことが可能になりました。例えばスマートフォンを使用して、写真や動画と共に発信するソーシャルメディアの情報は、利便性が高く拡散も容易です。しかしそれにより偽造物や偽情報も増加し、その情報を利用する私たちは能動的に内容を精査しなければならなくなりました。2点目はインターネット上に存在するコミュニティについてです。マスメディアとは別の閉じたコミュニティは互いを支え合う共生環境を築くことができる一方、コミュニティ内で偏った世論が形成され、分極化が加速するのではないかとの懸念もあります。

 ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)は、インターネット環境の普及が世界中で推進されているにもかかわらず、まだ約半数の世帯がインターネットの利便性を享受できておらず、子供から大人までの全世代でデジタル/メディア・リテラシーの向上が必要としています(2019年)。これはグローバルな情報共有にもつながる点です。本講義ではメディア、とりわけインターネットのデジタルメディアにおける「共生と社会的課題」を理論的に紐解きながら、私たちはどのようにこのリテラシー向上に向き合いデジタルと共生すればよいのかを考えます。

プロフィール

青山学院大学地球社会共生学部教授
菊池 尚代[KIKUCHI, Hisayo]


青山学院大学 文学部 英米文学科卒業。テンプル大学大学院 教育学修士課程修了。国際基督教大学大学院教育学研究科メディアと社会専攻博士後期課程退学。ニッポン放送 編成局制作部勤務。中学、高校の英語教員、高崎経済大学、日本大学、武蔵大学などの非常勤講師、オーストラリアの遠隔大学院(Master of Business Administration)プログラムマネージャーとして、英語と日本語の教育番組コンテンツ制作と運営などに携わる。2015年4月より青山学院大学地球社会共生学部准教授、2019年4月より同学部教授。メディア・コミュニティ、グローバル社会メディア論などの授業を担当。