TOP

ナノテクノロジー:DNAのセンシングとその物理的シミュレーション

ナノテクノロジー:DNAのセンシングとその物理的シミュレーション

第1回 2021/6/26(土)

青山学院大学 理工学部物理科学科教授  三井 敏之 [MITSUI Toshiyuki]

 本市民大学青山学院大学コースでは、モデリングとそのシミュレーションをキーワードに一連の講義を行います。現在、デバイス作製にシミュレーションは必須のツールです。開発段階において、設計するデバイスの機能を事前に正確に予測ができるようになったからです。私は20年近くDNAなどの生物分子のセンシングデバイスを、ナノテクノロジーにより作製する研究に携わってきました。そして、特にこの10年では、シミュレーション技術の発達により研究のスタイルが大きく変わりました。有限要素法(COMSOL Multiphysics®)と呼ばれるシミュレーションによって、ナノスケールの物理的環境を正確に見積もることができるようになり、例えばセンサー付近のDNAの動きを正確に予想できます。私は主にナノサイズの穴によるDNAのセンシングデバイスの作製を行っていますが、実験だけではイメージできないナノスケールのDNAのダイナミクスが、シミュレーションを併用することによりクリアに解明することができました。本講義では、ナノサイズの穴によるDNAのセンシングデバイスとその歴史も含めて、シークエンスにまで至った生体分子によるナノサイズのポア、そして、それらのシミュレーションについて話します。

プロフィール

青山学院大学 理工学部物理科学科教授
三井 敏之 [MITSUI Toshiyuki]


1999年にミネソタ大学Ph. Dを修了。走査型トンネル顕微鏡による金属微細加工について研究を行った。カリフォルニア大学とハーバード大学で博士研究員として研究を続けた。原子スケールでの氷の結晶化や水素分子の解離を実験的に観測した。2005年より青山学院大学理工学部の教員となる。専門は表面科学からナノテクノロジー、現在では生物物理学として細胞の再生や集団的動きの実験系を開発して研究を行っている。