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生命情報からの細胞挙動の予測 -薬の設計に向けて

青山学院大学<br>理工学部化学・生命科学科教授<br>諏訪 牧子 [Makiko Suwa]

青山学院大学
理工学部化学・生命科学科教授
諏訪 牧子 [Makiko Suwa]

生命情報からの細胞挙動の予測 -薬の設計に向けて

第1回 2018/6/30(土)

青山学院大学 理工学部化学・生命科学科教授  諏訪 牧子

 近年、ゲノム配列情報や遺伝子発現情報など膨大な生命情報の電子データ(生物系ビッグデータ)が急速に蓄積され、これらを用いた革新的な研究が望まれています。私たちは、DNA・アミノ酸配列解析、立体構造解析、シミュレーション、データマイニングなどバイオインフォマティクス手法を活用して膨大な生命情報から生命現象をモデル化しその現象を予測する研究を行っています。特に創薬ターゲットとして重要な膜タンパク質に注目し、その機能や構造およびそれらの細胞挙動への影響の理解を目指しています。例えば次の話題のような研究の一端をご紹介します。
 【細胞膜表面で働くタンパク質の描像を視覚化して全容を解明する(ビジュアルプロテオミクス)研究】近年の電子顕微鏡では~1ナノメートル分解能で細胞表面の写真が撮れます。細胞表面のタンパク質画像全てに実際のタンパク質の構造を“指紋認証”のように照合して膜タンパク質の種類を同定して、タンパク質同士の挙動を捕えようとしています。
 【受容体の機能メカニズムを理解し制御を目指す研究】創薬の重要ターゲット(GPCR)は、あらゆる細胞で発現し、リガンド分子と結合して構造変化し、Gタンパク質と結合することで細胞内にシグナルを伝達して重要な機能を発現します。これら一連のメカニズムの理解をめざして計算機上でリガンド分子(薬剤)に対する、シグナル伝達(細胞応答)の予測を進めています。

プロフィール

青山学院大学 理工学部化学・生命科学科教授
諏訪 牧子 [Makiko Suwa]


青山学院大学理工学部卒業、理工学研究科修了後、昭和61年より東京農工大学文部技官、平成8年より同大学助手を経て平成9年より通産省技術基盤研究促進センター ヘリックス研究所主任研究員。平成12年、工業技術院電子技術総合研究所 主任研究官。平成13年より産総研生命情報科学研究センター(後に生命情報工学研究センターに改組)研究チーム長、副研究センター長、主幹研究員を経て、平成24年より現職。現在、産総研人工知能研究センター招聘研究員、日本学術会議連携会員も兼任。専門はバイオインフォマティクス、生物物物理、ゲノム情報科学。「全て在りのままに見る。」をモットーに研究、教育に励んでいる。著書は『タンパク質の立体構造入門』分担執筆、(講談社サイエンティフィック)、『膜タンパク質構造研究』(化学同人)分担執筆など。