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サイエンス&テクノロジーが切り開く新たな世界

理工学部物理・数理学科教授 澤邊 厚仁

青山学院大学
理工学部電気電子工学科教授
澤邊 厚仁 [Atsuhito Sawabe]

高品質・大面積人工ダイヤモンド基板の開発(工業材料としての新たな産業創成を目指して)

第2回 2017/7/8(土)

ダイヤモンドは、多くの人を魅了する「宝石の王様」として知らない人はいない物質です。しかし、ダイヤモンドを工業材料という視点で見た場合、最も固い物質、最も速く音を伝える物質、最も速く熱を伝える物質、最も化学的に安定な表面を持つ物質、最も熱膨張率が小さい物質など、数多くのNo.1の特性を持つ稀な物質(材料)です。1950年代中頃、人類はダイヤモンドの人工合成に成功しました。これは、ダイヤモンドが安定に存在する地球の奥深くの環境を人工的に作ることで実現しました(高温・高圧合成法と呼びます)。この方法では粒子の合成が可能で、最大で数mmのものが存在します。本合成法で作られたダイヤモンドは、研磨・切削材料として様々な分野で使用されています。

これとは別に、炭素を含む気体を分解して基板と呼ばれる土台の上にダイヤモンドを合成する技術が、1980年代前半に日本で開発されました。これは、「ダイヤモンドの気相成長技術」と呼ばれ、つくばの無機材質研究所(現物質・材料研究機構)が最初に開発しました。青山学院大学は、その数年後に世界初の薄膜状ダイヤモンド合成に関する論文を発表した大学です。その後、青山学院大学では独自の薄膜作製技術を用いて大面積・高品質ダイヤモンドの研究を続けてきました。同技術により直径1インチのダイヤモンド厚膜作製に成功し、2007年には大学発ベンチャーである「AGDマテリアル株式会社」を設立、出資企業とともに製品化技術の開発を続け、2016年度より同社の出資企業が単結晶ダイヤモンド基板の販売を開始しています。

公開講座では、青山学院大学を中心とする今までの高品質ダイヤモンドの開発物語と、今後の応用分野についてわかりやすく解説します。21世紀の「材料の王様」となる期待されるダイヤモンドの話を聞きに来てください。

プロフィール

青山学院大学 理工学部電気電子工学科教授
澤邊 厚仁 [Atsuhito Sawabe]

青山学院大学理工学部教授。青山学院大学で博士論文の研究としてダイヤモンドの気相成長の研究を始める。1986年に博士号を取得後、大学助手、企業の研究員を経て、1995年より青山学院大学理工学部電気電子工学科助教授。1999年同教授。現在に至る。
企業では、LSI配線材料(Al合金)の耐久性に関する研究(世界標準化に貢献)、高密度磁気記録用GMRヘッドの開発(全国発明表彰恩賜賞他多数の受賞)に従事。1995年以降、大面積・高品質ダイヤモンドの作製に関する研究・開発に従事。応用物理学会理事、常務理事を歴任。現在ニューダイヤモンドフォーラム監事。応用物理学会フェロー。

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