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地球環境問題とごみ処理・リサイクル

青山学院大学<br>社会情報学部准教授 <br> 南部 和香[NAMBU Kazuka]

青山学院大学
社会情報学部准教授
南部 和香[NAMBU Kazuka]

地球環境問題とごみ処理・リサイクル

第4回 2021/11/6(土)

青山学院大学 社会情報学部 准教授 南部 和香[NAMBU Kazuka]

 2020年7月1日からレジ袋の有料化が義務化され、多くの人がそれまで以上に環境問題を身近に感じるようになったのではないでしょうか。また、海洋プラスチックによる海のごみ問題についてもよく見聞きすると思います。便利だと思って使っていたものが巡り巡って海の環境を汚染していることを知り、身近な問題をグローバルな環境問題として捉え直した人もいると思います。
 ワンウェイプラスチックの過剰な利用を減らすための取組みが実施・検討される一方で、コロナ禍にあって衛生的な観点からプラスチックの有用性が再認識された側面もあります。安全・安心・利便性・効率性といったプラスチック利用のプラスの側面と深刻化する環境問題への取り組みの間で、私たちはどのように考え行動していけばいいのでしょうか。プラスチックに限らず、ポストコロナに向け私たち消費者はライフスタイルの変革が求められています。サステナブルな消費のあり方を一緒に考えていけるといいなと思っています。
 この講義では、環境問題に関連するいくつかの事例をみていきたいと思っていますが、学術的な観点からは環境経済学という経済学の応用分野を使って環境問題を捉えていきます。環境問題は、生産や消費といった経済活動と切り離すことができません。つまり、その根底には経済原理が働いているということです。しかし、環境問題を市場の仕組みの中で捉えるにはちょっとした工夫が必要です。この講義を通して、経済学の視点から捉えると環境問題はどう見えるのか、どのような解決策が考えられるのかをご紹介したいと思います。
 プラスチックの環境問題は、ローカルかつグローバルな問題として捉えやすいですが、その他にもさまざまな財が海を越えリユースされ、リサイクルされています。どんなものがどこの国や地域と取引されているのか、海外の政策的な動向と合わせてみていきたいと思います。また、新しい価値を付加したアップサイクルも注目されています。どのような新しい取り組みがあるのかご紹介できればいいなと思っています。

プロフィール

青山学院大学 社会情報学部 准教授 
南部 和香[NAMBU Kazuka]


明治大学大学院博士後期課程修了(博士(商学))。
2011年4月より青山学院大学社会情報学部助教、2014年10月より福島大学共生システム理工学類准教授を経て、2018年4月より現職。
専門は、環境経済学と計量経済学。