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教職員の方へ

教職員が相談できる内容

  ※学生に関することのみです。教職員ご自身の個人的な相談はできません。
 1)精神的な要因が隠れている可能性のある場合
  ⇒ 医療機関の関与が必要な場合もあります。
  例
  ・単独行動(人を避けて行動するようになった)
  ・最近見かけない(理由が不明のまま最近学校で見かけなくなっている)
  ・別人のよう(以前と態度や表情が明らかに違っているように見える)
  ・調子が悪い?(常に身体の不調を訴えるようになった)
 2)発達障がいによる支障が生じている場合が考えられる場合
  ⇒ 通常の対応や励ましだけでは良い方向への解決が難しいこともあります。
  例
  ・話が止まらない(ゼミなどの発言が極端に少ない、または一人で話続ける)
  ・頻繁な遅刻(遅刻や、約束したことを忘れることが多い)
  ・過敏な反応(音や臭い、光などに極端に反応することがある)
  ・単独行動(友だちと関わらず一人で行動していることが多い)
  ・落ち着かない(落ち着かない様子が目立ったリ、授業中教室を何度も出入りしていることがある)
  ・自分の意見は(特定の分野の知識は豊富であるのに、自分自身の感想や意見については言えないことがある)

教職員からよく寄せられる質問とその回答です。学生相談センターに学生を紹介または先生がご相談される前に、こちらにもヒントを見出していただけましたら幸いです。

教職員 Q&A

教職員からよく寄せられる質問とその回答です。学生相談センターに学生を紹介または先生がご相談される前に、こちらにもヒントを見出していただけましたら幸いです。

Q1.学生は何をきっかけに学生相談センターを利用している?

A1.  相談の内容は千差万別で個別性が高いので一概には言えませんが、1・2年生は友だちができないなど対人関係の悩みがきっかけに、3・4年生や院生は進路を意識し将来自分が何をしたいかわからないという焦燥感や社会人になることへの漠とした不安などを抱えて来談することが多い印象です。
 悩みを親に話すと親が不安になるため家庭内で話せない、友人に話したところ誤解されかえって傷ついた、教員に勉強以外のことを相談するのは憚られると言った理由で「僕(私)の心の声をきちんと聴いて受け止めてヒントをくれそうな“大人”としてカウンセラーを選んだ」という学生の声もしばしば耳にします。青年期ならではの悩みを、秘密を守って聴いて一緒に考えてヒントをもらえる機会として“成長促進的な利用”をしていると言える、と思います。
 また、中学や高校からの不登校傾向が大学に入っても改善されないまま続いている学生の相談、大学入学後に人が怖くなったり不登校状態になったりしたことでの相談も少なくありません。“心の風邪からの回復や予防のための利用”といえるでしょう。

Q2. 学生相談センターに相談に行く以前に、日常的に教員としてどのようなことに気を付ければ良いか?

A2.  誰しも人付き合いや将来のことについて悩む時期があると思います。自分だけですぐに答えが見つかり、自分の判断に絶対の自信がある場合ばかりとも限りません。ある程度自信があっても、友人や大人の考えも聴いて、自分の考えと比較し相対化して検討する中で、自分なりの答えを見出していくことも多いでしょう。
 学生は、“自信と不安の両方“を抱えながら学校生活を送っています。したがって教員としては、学生が自分でできそうなことには過剰にお手伝いせず「あなたならこれはできそうだね」と信じて見守る教員の姿勢は彼らにきっと伝わるでしょうし、彼らの”自信“をより高めるでしょう。
 一方で「人は誰しも孤独を感じたり思い悩んだりすることがある」「不安や悩みは成長の原動力」と“悩みをもつことに穏やかで肯定的な姿勢”で学生に接し、「何かあったら尋ねてきて良いからね」というメッセージを教員が日ごろから学生に発信していると、学生のほうから先生に声をかけやすいです。それはセーフティーネットにもなりますし、人に頼る力(学生は人に適切に頼るのが苦手な人が多いので育てる必要があると考えます)を育てるものと思います。

Q3. ゼミ生から「自分は学生相談センターに行っている」と話されたとき、どのように対処すれば良いか?

A3.  ゼミ生が教員にそのような話をする時というのは、何か教員に伝えたいことがある場合が多いと思います。もしかすると、悩んでいる自分について知って見守ってほしいのかもしれませんし、あるいはなんらか具体的な配慮を求めているのかもしれません。まずは、その学生が教員に伝えたかった真意を丁寧に聴いてみてください。
 例えば「そのことを今日は私に伝えたかったんだね」「もう少し教えてくれるかな?もちろん支障のない範囲で十分だから」などとまずは余裕のある態度で接していただけると学生も安心して「実はこういう問題があって、ゼミにもこういう影響があるかもしれないので今日は先生にお話しました」などと学生が語る流れになりやすいです。
 それ以降はケースバイケースだとは思うのですが、「先生に何かできることがあるかな」と探っていくと良いと考えます。「必要なときはカウンセラーとも連携をとっても良いかな?その場合は必ずまずあなたの了解をとりますので」と伝えておくのも大事なポイントになる場合があります。

Q4. どういうタイミングで「学生相談センターに行ったら良いよ」と学生にアドバイスすれば良いか?

A4.  例えば、悩んではいるけれどそれを誰にも知られたくないと思っている時や、他の人ではなく教員に相談をしたいと考えている時に、いきなり学生相談センターへ行く事を勧められてしまうと、中には教員に見放されたように感じ傷ついてしまうケースもあります。
 最近人と話をしなくなっている、急に表情が暗くなった、妙に明るくなりすぎている、提出物が遅れがちになった、欠席しがちになったなど、学生の異変を感じ教員として放っておけないようでしたら、まずは学生に「なんか疲れてそうにみえるけれど大丈夫?」「あなたのお話を少し聞かせてもらっても良いかな?」などと声をかけ彼らに耳を傾けてみてください。もしお話が聴けたなら、学生の困り感を要約して学生にフィードバックすると良いです。例えば「こういうことで困っているんだね。大変だね」のように。
 学生が今何に困っているのかの輪郭が見えてきたら、その困り事をどのように解決していくのがよいかを一緒に考える姿勢を示し、学生自身が学生相談センターでカウンセラーに相談するのがベターであろうと教員が感じたときに学生に来室をお勧めいただけると、学生としても「先生が真剣に受け止めてくれた」と感じ、学生相談センターに行く意味を感じられたり、来室へのモチベーションが高くなったりするものと思います。

Q5. 教職員との関連で学生相談センターに相談される大きな要因はなにか?

A5.  所属する学部学科が自分の興味と合わない、レポートを書くことが著しく苦手で困っているが先生には伝えられない、ゼミで自分だけ発言できないために落ち込んでいる、先生が贔屓していると感じる、ゼミの雰囲気が合わない、先生から過剰に仕事を頼まれて苦しいなど大学ならではの相談は多いです。必ずしも教員だけでなく、事務の窓口が怖くて自分一人では相談に行けないというケースもあります。
 中には“虐待のケアに関する授業“で”虐待は連鎖する“と聴き、「私は一生逃れられない運命を背負っているのでは?」など、授業内容によって心が揺さぶられてしまって学生相談センターに泣きながら駆け込んでくる例もあります。
 立場や価値観が違う人と人とが出会う中においては、教職員関連の悩みが生じることは避けられないかもしれません。そのような悩みを自分なりに消化し受け止められるようになることで、ものの見方が広がっていくものと感じます。それを手伝うのがカウンセラーの仕事です。

Q6. 卒論・修論のプレッシャーで学生相談センターに行っている学生の論文締切が近づいた時、論文作成に頑張らせるのは良いことか? 頑張らせる方が良い場合と休ませる方が良い場合をどのように見分ければ良いか?

A6.   その学生の状態によってケースバイケースです。学生の状態を見極める一つのヒントして挙げるとすれば、フレキシビリティ(心の柔軟性)です。具体的には落ち込みの程度とその回復力です。気分や調子が落ち込んだとしても、比較的速やかに回復するのであれば、フレキシビリティがあるといえます。単なる印象だけではなく根拠をもって判断する必要があるため教員から学生にいくつか尋ねておく必要があるでしょう。例えば、「締切が近いが、自分では今の状態をどう思うか?」「自分ではどのような対処法が良いと思っているか」「休みをとることで元気になるか」「休みを取った場合、どのくらいの期間で回復しそうと思うか」といったことを節目節目で本人に尋ねることで見えてくるでしょう。もちろん学生が言いたくないのを無理に聴く必要はありません。
 また学生相談センターで相談中の学生であることを学生から聴いて教員が知っているという前提であれば、学生に「教員として何か聴いておいたほうが良いことや、教員として何かできることはある?」などと日ごろからコミュニケーションをはかりある程度状態を把握しておくと良いと思います。
 もし“学生の了解”があれば、カウンセラーがその学生の状態やかかわりのヒントをお伝えすることもできます。“学生の了解”がない場合でも、(その学生のことではなく)一般論としてのお答え(見極めや対応)はできますのでカウンセラーにご連絡いただければと思います。

Q7. 教員が気付かずにその言動が学生にプレッシャーなどをかけ、学生が学生相談センターに相談に行った場合、そのことは学生相談センターから教員にフィードバック(報告)はあるか?

A7.   学生の主体性と守秘を重んじていますので、教員との関係性で学生が来談しても、すぐに教員へフィードバックするということは基本的にありません。
 私たち教職員もカウンセラーに相談した内容が、自分の知らないところで人事部や上司に報告されていたら嫌なのと同様に、学生も秘密が守られることが保証されて初めて安心して相談ができます。もちろん緊急時にはサポート体制を作るために、極力本人の了解を得て情報を共有しますが、そうでなく本人の知らないところで情報が共有されることはありません。
 教員の言動が学生にプレッシャーを与えていて、そのことで学生相談センターに相談があった場合、学生が希望すれば教員との間にカウンセラーが入ることがありますが、学生が希望しない場合は介入が難しいです。
 相談に来たきっかけは教員からのプレッシャーの悩みであっても、それを直接解決したい学生もいれば、「人に言われたことに敏感になり過ぎてしまう自分の性格をなんとかしたい」など、自分の性格の問題として考えたいという場合もあります。つまり教員からのプレッシャーということを主訴としていても、実はそれは相談の入り口であって、学生相談センターで見つめたいことはより本質的な自分自身のことである場合もあるということです。

Q8. 精神的に病んでいるように感じた学生に気軽に「学生相談センターに行ってみたら」といっても良いか? どのような言い方で伝えれば良いか?

A8.  学生が休みがちになったり、以前よりも表情が暗くなっていたり、他者の言葉を被害的に受け取ってイライラすることが目立ったり、不穏な言動がみられたような時に、教員は学生が精神的に病んだ状態にあるのではないかと心配されることがあるでしょう。
 そのような時は、まずは素朴に「最近元気がないように見えるが、何か気になることがあるのか、何か力になれることはあるか」などと声をかけていただければと思います。それに対して、素直に悩みを話す場合もあれば、鬱陶しげに無視する場合もあるかもしれません。いろいろな学生の反応があるかと思います。
 どのような反応であれ、教員からの声かけに対する学生の反応から、その学生の今の状態を推し量ることもできるのだろうと考えます。例えばもし学生が素直に悩みを話すようならば、時間を設けて話を聴き、その内容によって、教員が対応できるケース、学生相談センターが必要になるケース、次善策を考えていくことができるでしょう。もし学生が無視したり、怒り出したりする場合には、誰にも相談できないまま殻に籠って憔悴している状態なのかもしれません。そういう場合は慌てずに時間をおいて、軽い話題を振ってみる、他の学生に様子を聴いてみる、論文指導と称して呼んでみる、など話すきっかけをつかむことを心掛けてみると良いのかもしれません。学生が少し心を開き、先生に相談できるようになってきたところで、自然な形で学生相談を勧めていただけると望ましいと考えます。
 ケースによっては学生相談センターよりも保健管理センターの精神科医に相談した方が良い場合もあります。先生がカウンセラーに学生の状態をお話くだされば、予めどちらに学生を勧めるのが良いか、またどのように学生に声かけをしたら良いか、アドバイスすることもできるかと思います。

Q9. 学生が学生相談センターに行っている時に、学生のプライバシーについてはどのように配慮すれば良いか?

A9.  教員が自分のゼミ生や関わりのある学生が学生相談センターなどで相談していることを本人の口などから知り、その学生になんらかの特別な配慮をしようと考えた際に、他のゼミ生などに知られないよう配慮できるかなど、他の学生との公平性の点で悩むかもしれません。多くの場合、特定の学生が学生相談センターに相談に行っている事実を他のゼミ生にオープンにする必要性はほとんどないでしょう。
 学生相談センターに行っているか否かとは別に、例えば「彼(彼女)は少し疲れているようなので、他の学生よりも今は課題を少なくしている、気にかけてあげてほしい。皆さんも悩みを抱えこみ過ぎず、潰れそうな時は必ず先生に相談してほしい」というような形で伝えてみるのはどうでしょうか。そういうことから、当該学生に対する先生の眼差しがゼミ生にも伝わり、先生をモデルとして、皆も当該学生への接し方が自然に暖かく配慮のあるものになっていくことが期待できます。また、先生が特別な配慮をしていると知っても、「自分も本当に辛いときには先生は自分の心身の健康を第一に考えてくれる」という安心感や信頼感に繋がっていくことにもなると考えます。

Q10. 教員として学生相談センターはどのような活用方法があるか?

A10.  教員の学生相談センター活用法には次の3つがあるかと思います。

①学生を学生相談センターに紹介する・・・紹介より前にまずは教員が学生に親身に寄り添っていただきたいと考えます。学生に「疲れてみえるけれど、何か困っていることある?」などとお声かけいただいてもし学生が “困っていること” を語ってくれ、教員との話し合いだけでは解決が難しそうであればその “困りごとに合わせて” 学内機関(学生相談センターの他にも教務課や保健管理センター、障がい学生支援センター、ライティングセンター、法律相談などがあります)を模索してくださると良いと考えます。教員としてどちらの機関に導くのが良いか定かでないと感じるときは学生に「先生も専門的なことはよくわからないので学生相談センターのカウンセラーにまず一度お話してみては」などとお伝えいただければと思います。

②教員が学生対応について相談する・・・大学に来られない学生にどう声をかけたらよいか、最近の様子がどうも気にかかっている学生がいるなど、カウンセラーが個々の学生の事情に合わせて対応を一緒に考えます。同じような症状や同じような不適応行動がみられる学生であっても、その背景は全く異なっていることが少なくないので、まずはどのような学生であるのかをお聞かせいただければと思います。

③ゲストスピーカーとしてカウンセラーを授業などに呼ぶ・・・学生のニーズがあると教員がお感じになるようでしたら「心の問題やその解決など」についてカウンセラーが出張してお話することもできます。