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アジアの生活と文化

青山学院女子短期大学 現代教養学科助教 鈴木 宏節

青山学院女子短期大学
現代教養学科助教
鈴木 宏節 [Kousetsu Suzuki]

モンゴルの生活文化-家畜とともに生きる-

第3回 2017/5/27(土)

モンゴルはユーラシア大陸の内陸部、北アジアに位置しています。周知の通り、その名は13世紀、チンギス=カンがモンゴル民族を統合し、大征服活動を成し遂げたことによって、世界史の舞台に華々しく登場しました。近年では、モンゴル出身の力士たちが日本の角界を席巻しています。しかし、日本に暮らす人間にとってモンゴルはまったく縁遠い世界ではないでしょうか?

モンゴルの生業・暮らしは、数千年来ながらく遊牧という形態をとっていました。遊牧とは、乾燥アジアに属する中央ユーラシアの草原(ステップ)地帯の環境に適応した形態です。ひとびとは寡雨で寒冷な高原の厳しい自然環境を、ウマやヒツジといった家畜とともに移動することによって乗り切ってきました。これはモンスーン地帯の湿潤アジアにくらし、固定式の家屋に定住をしている人間にとっては想像し難い生活です。

そこで本講義では、まず、モンゴルの地理を解説し、そこでの生活を支配する自然環境について理解してゆきます。アジアにおかるモンゴルの位置付けを把握することで、あわせて日本が属するアジアの多様性を認識していただきたいと思います。つぎに、モンゴルの遊牧生活について解説します。モンゴルの過酷な自然環境を生き抜くために人間は何を発明したのか? 季節移動や五畜、去勢、搾乳、屠畜といったキーワードを手掛かりに遊牧生活のメカニズムを解説してゆきます。そして、遊牧民の衣・食・住それぞれを観察します。とりわけ食文化に関しては、講師が現地調査で見聞してきた現代モンゴルの生活文化の一端を紹介します。地方の食生活、都会の食生活、それぞれの食生活の在り方を比較することで、現在に生きるモンゴルの遊牧について理解を深めてゆきたいと思います。

本講義をきっかけに、モンゴルに関心を持っていただければ幸いです。

モンゴルの子どもたち

モンゴルの子どもたち[2003年8月 著者撮影]

プロフィール

青山学院女子短期大学 現代教養学科助教
鈴木 宏節 [Kousetsu Suzuki]

早稲田大学第一文学部史学科東洋史学専修卒業。大阪大学大学院文学研究科博士前期課程修了。同大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在、青山学院女子短期大学現代教養学科助教。専門分野は東洋史・アジア史、中央ユーラシア史。
共著に、大澤孝・鈴木宏節・R.ムンフトルガ『ビチェースⅡ─モンゴル国現存遺跡・突厥碑文調査報告─』(SOFEX Co.,LTD.、2009年)が、啓蒙書への寄稿論文に、「突厥碑文から見るトルコ人とソグド人」『ソグド人と東ユーラシアの文化交渉』(アジア遊学175号、森部豊(編)、勉誠出版、2014年)、「物を通して見る世界史 馬とらくだ」『世界史のしおり』2008年4月号(帝国書院、2008年)等がある。

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